【2023】リマスター・リメイク・リブートおすすめゲーム10選!
既存の人気タイトルを現代仕様へとアップグレードする手法「リマスター」「リメイク」「リブート」。今回の特集では、往年のファンには嬉しい3種類の「Re (リ)」で蘇ったおすすめのゲーム作品を10種類ご紹介。かつて夢中になって遊んだユーザーも、原作ゲームの存在を知らなかった人も必見の特集となっているぞ。
リマスター・リメイク・リブートとは?
「リマスター」「リメイク」「リブート」は、かつて存在していたゲームタイトルを、現代のユーザーがプレイできるように作り直すための手段・手法を指す用語。生産が中止となった古いハードの作品を、現在流通しているハードで遊べるように製作していることが多く、幅広い年代のユーザー層に受け入れられている。
▲2006年の同名作をリブートした『Saints Row (2019)』。シリーズを大胆に仕切り直した。
世界的にヒットした作品をリパッケージして売り出せば、全く新規でゲームを開発するよりも短期間で多くの売上を見込めるという打算も確かに存在するが、各メーカーは潜在的なユーザーの要望をリサーチでしっかりと汲み取っている。これはゲーム産業に限った話ではなく、映画や音楽などの世界でも使われる常套手段だ。
ファンの劇的な反応として今でも語り草になっているのが、2020年発売の『ファイナルファンタジーVII リメイク』。2015年の「E3」で本作のトレーラーが初公開された際、会場に詰めかけたオーディエンスからは狂喜乱舞&拍手喝采が送られ、ストリーミングで見ていた世界各国のファンからも熱狂的な反応があった。
▲E3 2015で発表された公式予告編。クラウドの後ろ姿が出ると大歓声が巻き起こった。
現在「次世代機」として君臨しているPS5とXbox Series X/S向けに、既存のゲームタイトルが30fps以上のフレームレートや4K HDRへの追加対応を行っていることも多く、これらの作品群も「リマスター」「リメイク」「リブート」の範疇と言える。ゲーム作品の「Re」は、業界のスタンダードな製作手法と言えるだろう。
リマスター
「リマスター」は、既存のゲームイメージを壊さないようにブラッシュアップする製作手法。原作が発売された当時には存在しなかったモニター解像度への対応が主な変更点になることが多く、中には高リフレッシュレートへの対応を行っている作品もある。HD化などによって鮮やかになったプレイ画面が大きな特徴だ。
▲原作の雰囲気を壊さずにリマスターされた『ディアブロ II リザレクテッド』。
リメイク
「リメイク」は、原作の世界観を保ちながらも、グラフィックやインターフェース、ゲームシステムなどを新規で作り直している手法を指す。最新のゲームエンジンを活用して高精細な描画とモーション、解像度を獲得していることが多く、現代のユーザーにも違和感なくプレイしてもらえるように製作されている点が特徴だ。
▲商業的にも大成功を収めた『バイオハザード2』のリメイク作『BIOHAZARD RE:2』。
リブート
「リブート」は、原作の世界観を大胆に改変し、新たな作品を生み出す際に用いられる手法を指す。主人公や時代設定、ストーリー要素が変えられることもあり、原作をプレイ済みのユーザーも新鮮な気分で作品に触れられるため、上手くいくと絶大な効果がある。新規でゲームを作るのとほぼ変わらない手段だ。
▲リブート作を開発するためには、時に新規IPを生み出す以上の苦労が伴うことも。
潜在的なマーケットが常に存在しており、またヒットした際の売上も相当大きくなる3種類の「Re」だが、その一方で既存ファンの怒りを買ってしまう適当な仕事をすると、惨憺たる結果に終わるばかりではなく、原作のイメージも傷つけてしまうため、開発者はこの点に留意しながら作業を丹念に行っていく必要がある。
今回ご紹介しているタイトルは、「リマスター」「リメイク」「リブート」された中でも人気が高い、または見所が多い作品となっているので、ゲーム選びを行う際の参考にしてほしい。現代仕様へと生まれ変わった名作の数々をチェックしながら、これだと思える作品を発見し、ゲーマー人生をさらに豊かにしていこう。
リマスターのおすすめゲーム
1.『ディアブロ II リザレクテッド』
2000年に発表された『ディアブロ II 』をリマスターしたタイトルで、PC、PS、Xbox、Nintendo Switch向けゲームとして2021/9/24に発売された。グラフィックとサウンド面の大幅な強化が特徴となっており、対応プラットフォームでは最大4K解像度と7.1 Dolby Surroundのオーディオを体験できる。
27分間におよぶ原作の全シネマティックパートも高精細なビジュアルで再収録されており、完全3Dモデルで蘇ったプレイアブルキャラクターは、防具、服装、スキンテクスチャ、アニメーションなどがアップデートされた。既存ユーザーにも違和感のない範囲で改良が加えられている点が魅力のおすすめタイトルだぞ。
▲最大8名の同時プレイに対応。異なるプラットフォームでセーブデータを共有できるシステムもある。
全プラットフォームでコントローラー操作へ対応し、さらにフォントサイズ変更、色覚異常モード、視認性オプションなど、アクセシビリティーを高めるシステムも搭載。プレイヤーの好みに応じてセッティングを柔軟に変更できるシステム面での改善もポイントで、細部まで考え抜かれたアップグレード要素が素晴らしい。
なお、本作は原作バージョンのグラフィックも同時収録しており、ボタン一つでリマスター版のグラフィックから瞬時に切り替えることが可能。原作の雰囲気を味わいながら遊びたい人にもバッチリハマるリマスター作品で、既存の熱狂的なファン層全てに配慮した丁寧なリマスタリング作業が冴え渡るタイトルだ。
2.『ファイナルファンタジーIV ピクセルリマスター』
2021/9/9から正式配信されているスクウェア・エニックスの購入型スマホゲームで、1991年に発売された名作RPGシリーズ第4弾『ファイナルファンタジーIV 』をリマスターで蘇らせたファン必見のアプリ。シリーズ転換点となる作品を現代仕様にした丹念なオーバーホールが光るFFファン要注目のタイトルだぞ。
新たに製作されたドット絵キャラクターが特徴で、シリーズファンにはおなじみの作曲者植松伸夫氏監修の元でアレンジされたBGMを聴くこともできる。さらにゲームに関する資料を閲覧できる新規コンテンツ3種類もあり、アーカイブ的な側面も併せ持つ優れモノ。王道RPGシリーズの原点を探る旅に出かけよう。
▲スクウェア・エニックスが丹精込めて作り上げたリマスター作品。ユーザー評価も非常に高い。
ユーザーからのリクエストが多かったピクセルフォントが搭載されている点が魅力で、オリジナル版をイメージして新たに制作したフォントと通常フォントをいつでも切り替えて選べるようになっている。またオリジナル版BGMへの切り替え機能もあるため、当時の雰囲気に浸りながらプレイできる点もポイントだぞ。
遭遇したモンスターがリストに登録されていく「モンスター図鑑」には、ワールドマップ上で「生息図」のように配置していく機能があり、リストを埋めていくことがどんどん楽しくなっていくはず。キャラデザインを担当した天野喜孝先生監修のイラストギャラリーも充実の出来栄えで、旧ファンも納得のタイトルだ。
リメイクのおすすめゲーム
1.『ファイナルファンタジーVII リメイク』
2020/4/20に発売されたスクウェア・エニックスのPS4ゲームで、その後追加コンテンツを実装してPS5とPC向けにも展開。圧倒的なグラフィックによって原作世界を再現している点が高評価を獲得し、世界累計出荷本数は500万本を超える。ゲームデザインとシステム全てに踏み込んで徹底的にリメイクした必見作だ。
1997年に発売された原作の開発に関わっていたスタッフが結集している点もポイントで、敵の弱点を見極めながら魔法やアビリティーを選択して戦う戦略的なバトルシステムも実現。なお、本作ではアクション性の高いバトルシーンを用いているが、設定画面で昔ながらのコマンドバトルスタイルへ変えることも可能だぞ。
▲グラフィックとシステムを一新したFFファン感動のタイトル。リメイク作品の金字塔だ。
ゲームの舞台となる「ミッドガル」は完全に再設計され、また世界観とキャラクターを深く掘り下げたエピソードなどを追加。原作を知る人は今まで以上に感情移入できる作品で、特定エリアで発生するイベントシーンや会話シーンが没入感をアップさせてくれる。手抜きなしでリメイクされた点が高評価ポイントだ。
探索しながら音楽をコレクションし、ジュークボックスで再生できるシステムや、オリジナル版には存在していなかったクエストの受諾システムなど、ゲームを長時間遊び尽くすためのコンテンツも実装。これまでに原作に触れたことがなかった若いFFファンにもアピールできる作風で、幅広い年代の人におすすめだぞ。
2.『Dead Space』
2023/1/28からSteamで正式配信されているエレクトロニック・アーツの購入型PCゲームで、2008年に誕生した同名SFホラーアクションゲームをリメイクしたタイトル。完全に作り直されたゲーム世界が特徴で、最新ゲームらしい高精細なグラフィックと臨場感満点のオーディオで恐怖体験を味わえる必見作だ。
▲主人公アイザックになって恐怖の宇宙船内で不気味なクリーチャーとの死闘を繰り広げていく。
新規描画システムで再現された敵キャラクター「ネクロモーフ」の不気味さは完全にオリジナル版を上回っており、原作が持っていたグロさにも磨きがかかっている。極度の恐怖を体験できるゲームシステムも健在で、原作ファン以外に、至高のSFホラーゲームを探している人にも断然おすすめできるタイトルだ。
3.『BIOHAZARD RE:4 (バイオハザード Re:4)』
2023/3/24から正式配信されているカプコンの購入型PC/PS/Xbox向けゲームで、2005年に発表された『バイオハザード4』をフルリメイクしたシリーズファン必見のサバイバルホラーゲームタイトル。過去のバイオハザードシリーズ作品を最新のゲームエンジンで蘇らせる「RE」シリーズの最新作となっている。
「RE」シリーズではこれまでに過去作の「バイオハザード2」と「バイオハザード3」がリメイクされて世界的な高評価を獲得してきたが、バイオファンの間でも特に高い人気を誇る「4」がついにシリーズの仲間入りを果たした。原作が持っていた作品の「核」を大切にしながらも、現代のゲームとして再構築された世界を楽しもう。
▲バイオファン、そして「RE」シリーズファン待望の新作。進化を遂げた原作を体験できる。
不気味な教団に支配された村人たちが集団で襲いかかってくる序盤の展開、そしてアシュリーとの出会いと共に行動していくバディースタイルのゲームシステムはそのままに、本作では完全新規のゲームメカニズムも実装。原作には存在しなかった「ナイフを用いたパリィ」が可能となっており、バトルスタイルにも幅が出ている。
プレイ視点が大きく変わったことで話題を呼んだ原作『バイオハザード4』だが、本作ではREエンジンによって生み出された「2」「3」と同じ「ビハインドビュー」を採用。ただし原作も本作もサードパーソンビュー形式には変わらないため、REシリーズでは一番違和感を感じずに遊べるタイトルと言えるだろう。
4.『BIOHAZARD RE:2 (バイオハザード Re:2)』
2019/1/25から正式配信されているカプコンのPC/PS/Xboxゲームで、過去のバイオハザードシリーズ作品を最新のゲームエンジンで蘇らせる「RE」シリーズの第1弾。ファンから最も多くリメイクの要望が寄せられていたタイトルだけあって、全世界の売上数は1120万本以上を記録。リメイク作としては異例のヒット作となった。
レオン編とクレア編に1stシナリオと2ndシナリオが存在し、原作では表裏の2タイプだったシナリオが倍増。ストーリーの根幹については原作を尊重しつつも、主役2名以外の登場人物が異なる結末を辿るなど、新規に再構築された世界観が面白い。圧倒的なビジュアル面の進化も作品の大きな見どころだ。
▲最新ゲームらしい没入感を生み出したグラフィックとリアルな描写は必見だぞ。
初期バイオハザードシリーズは、徐々に追い詰められていく焦燥感と、何が待ち受けているのか分からないプレイ展開、そして頭脳プレイが捗るパズルアクション要素が特徴だったが、本作はこれらの遺伝子を継承しつつ、よりアクション性が高まったバトルシーンでプレイする者を引き込む。文句なしの完成度だ。
なお、本作には暴力表現がより激しい「Z Version」も存在するので、対象年齢を満たしているユーザーはこちらのバージョンを選択するのもアリ。1998年9月にラクーンシティを襲った生物災害を最新のゲームエンジンでリアルに描き出す本作は、ゾンビゲームが好きなユーザーに断然おすすめのゲームタイトルだぞ。
5.『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』
2020/4/24から正式配信されているスクウェア・エニックスのPS/Nintendo Switch/PC/スマホ向けゲーム。1995年に発売された『聖剣伝説3』をフルリメイクした作品で、グラフィック品質の向上に加えて新規ボイス収録、楽曲のアレンジなど、全てが別物になっている。丹念な作業が光るおすすめのタイトルだ。
フル3Dになったグラフィックで描かれる美しいマナの世界は必見で、エンディングを迎えた後に体験できる新エピソードも特徴。6名の登場キャラクターの組み合わせによってストーリー展開が変化する「トライアングルストーリー」システムもあり、各キャラクターを深く知りながらプレイできる点がポイントだ。
▲最新ゲームとして華麗に生まれ変わった『聖剣伝説3』の世界は必見のクオリティー。楽しさ満点だぞ。
育成面とバトル面では、新要素の「アビリティ」と「クラス4」の追加によって成長システムが再編されており、キャラクター育成の幅が大きく広がった。自分好みに育成したパーティで、アクション性も大幅にスケールアップしたバトルを楽しめるようになっているため、原作をプレイ済みの人も必見だぞ。
プレイ人数は1名で、ローカル通信およびオンラインマルチプレイには非対応。購入するか悩んでいる人のために「無料体験版」も配信されているので、まずはお試し感覚で遊んでから決めるのもアリ。システムとグラフィックが生まれ変わった『聖剣伝説』シリーズ屈指の名作をじっくり遊んでみよう。
リブートのおすすめゲーム
1.『Saints Row』
2022/8/23からPC、Xbox One、Xbox Series X/S、PS4、PS5向けに正式配信されているDeep SilverのアクションRPGで、2006年に誕生したコミカルなオープンワールドクライムアクションゲーム『セインツロウ』シリーズのリブートタイトル。圧倒的リアルさを獲得したグラフィックが高評価を獲得している。
広大なオープンワールド「サント・イレソ」を舞台に犯罪組織「セインツ」が暴れ回るファン必見の世界観、次世代型の美麗なゲームグラフィック、奇想天外なミッションとサイドコンテンツの実装が大きな魅力で、オープンワールドで自由に暴れ回るクライムアクション要素も光る。おバカなゲームが好きな人におすすめだ。
▲リアリティーは大幅にアップしたが、シリーズの魅力であるバカバカしさは健在だ。
すでに決定していた正式配信前に突如「作品が自分たちが要求したレベルに達していない」として半年間リリースを遅らせるなど、波乱含みの展開で一時期ファンをモヤモヤさせたタイトルだが、万全を期して登場した本作には「リブート」によって新たなファン層を獲得しようとする強い意志も感じられ、完成度はかなり高い。
シリーズ作品初の試みとして実装されたCO-OP機能もポイント。最大参加人数は2名だが、プレイ中簡単にドロップイン・ドロップアウトができるシステムで、本格的なオンラインマルチプレイには一歩及ばないものの、気楽にCO-OPを体験できるという点で面白味がある。他プレイヤーのゲームに乱入してみよう。
2.『DOOM (2016)』
2016/5/13から正式配信されているPC/PS/Xbox/Nintendo Switch向けゲームで、孤高のドゥームスレイヤーになって獰猛で凶暴な悪魔軍団を殲滅する戦いへ挑むアクションRPG。リブート作品として非常に高い評価を獲得したゲーム作品で、シリーズファンからも圧倒的な高評価を獲得するに至った良い成功事例だ。
高精細なグラフィックとハクスラ要素満点のスピーディーなバトル、そしてメタルファン必聴のサウンドトラックが圧倒的な快感を生み出す本作には問答無用のカタルシスがあり、プレイする者を痛快なバトルシーンへと放り込む、ちなみにSteam版には無料で遊べるデモ版があるので、気になる人はチェックしよう。
▲地獄に関わるものを嫌悪する主人公として異形の存在を殲滅していくプレイが展開。
マルチプレイモードもサポートしており、最大12名のプレイヤーが対戦プレイを楽しめる。1993年に誕生した原作には無かった新規システムが多数存在し、最新のアクションFPS作品と比較しても全く遜色がない。火星に悪魔軍団が出現するという世界観に変わりはないが、全ての面で再構築されたシステムが光る。
音楽を手掛けたのはミック・ゴードン氏。オリジナル・サウンドトラックはThe Game Awards 2016で「サウンドトラック・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、授賞式では氏が自らステージでバンドを率いてパフォーマンスを行い、聴衆から熱狂的な声援を受けた。メタルミュージックが好きな人には断然おすすめだぞ。
3.『Call of Duty®: Modern Warfare® (コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア)』
2019年に発売されたActivisionの購入型PCゲームで、2007年に発売されたミリタリーアクションFPSの傑作を、最新のゲームエンジンによって鮮明にリブートした必見作。驚異のグラフィックは圧巻で、ソロ向けキャンペーンモード、対戦と協力プレイ要素が捗るオンラインマルチプレイモードを遊べる。
原作の誕生から約12年が経過した中で発展を遂げていった「ゲームグラフィック技術の向上」を体感できる点が大きな魅力で、より一層フォトリアルになったゲーム世界でファーストパーソン・シューティングに挑む臨場感抜群のプレイ体験を味わえる。キャラクターのモーション全般も大幅に進化を遂げているぞ。
▲2023年になってSteamストアにもPC版が掲載され、多くの人が気軽に遊べるようになった。
原作ではゲーム内の年代設定についてハッキリと明示されていなかったが、本作ではゲームの発売年でもある2019年が舞台となり、凶悪なテロリストと特殊部隊の対決を軸にストーリーを描き出している。一部原作の有名な登場人物も出てくるが、基本的には新規でゲーム世界を描き直している点が特徴だ。
キャンペーンモードのディレクターを努めたジェイコブ・ミンコフ氏によると、本作はリブートよりも「リイマジニング (再考)」に近い作品とのこと。原作が辿った世界線とは異なる「もう一つの世界線」が展開していくタイトルで、同名人物も全くの別人として作品に関わってくる。原作プレイ済みの人も新鮮に遊べるぞ。