2021/8/4からSTEAMで正式配信されているSillubilly2454の無料PCゲーム。無機質な3DCGの世界を舞台に、プレイヤー同士がオンラインで集まってバトルロイヤルに挑戦できるアクションFPS。
開発途上の作品をそのまま市場へ放り込んだようなゲームグラフィックと3Dモデル、基本無料でバトロワを楽しめるゲームシステム、思わずツッコミを入れたくなるシュールな世界観が大きな魅力で、開発に不慣れなインディー系ゲームデベロッパーに助言やアドバイスを送って品質を向上させたい人におすすめ!
無料で遊べるバトロワゲーム!
現在PCゲームのポータルサイト「STEAM」で配信中の『Valor』は、3DCGモデリングの初期段階を思わせる簡素なゲームグラフィックでオンラインのバトルロイヤルを楽しめる新作ゲーム。無機質で質素な世界でプレイヤーが「最後の1人」を目指しながら戦いを繰り広げていくアクションFPSタイトルだ。
バトルロイヤルの舞台となるのは、周囲を海に囲まれた灰色の島。プレイヤーはゲーム開始直後に航空機からスカイダイビングをして任意の地点に着陸し、現地調達で武器やアイテムを手に入れながら他プレイヤーとのアクションシューティング対戦を繰り広げていくことになる。世界的ヒット作『PUBG』と同じ方式だ。
▲プレイヤーを運ぶ宇宙船風の航空機。ここからジャンプして地上へと落下していく。簡素な描写がシュールだ。
プレイヤーが動き回る地形は3DCGモデリングでよく目にするラフなバージョンで、木々や家々などを除いてテクスチャーが存在しない。現実なのか仮想空間なのかよく分からない曖昧な世界観設定がシュールで、うがった見方をすれば未完成なゲーム世界に放り込まれて遊ぶ感覚に浸れる。アンバランスな世界観設定が秀逸だ。
この世界観が「ウケ狙い」なのか「開発不足」なのか気になる人が多いと思うが、正解は残念ながら後者の方。ゲームは現段階でアルファ版の立ち位置にあり、開発者自身がそのことを認めている。故に不具合や起動不完全、突然の仕様変更など、あらゆるトラブルが発生する可能性があることは肝に命じておこう。
個人で開発中のインディーゲーム作品
ゲームを開発しているのは、オーストラリアのキャンベルを本拠地とするインディー系デベロッパー「Sillubilly2454」。複数の人員を持つデベロッパーではなく、実態はMason Gourlay氏の個人活動。開発にはまだ不慣れらしく、プログラムに関するヘルプを求めているので、興味がある人はコンタクトを取ってみよう。
作品の開発には「Unreal Engine」が用いられており、登場する無機質なキャラクターもアセットを利用したもの。現段階ではオリジナリティーが皆無で、デモ版を遊んでいるような感覚になるが、「不完全なゲーム世界に送られた自分が戦いを繰り広げる実験的な作品」と仮定すれば、色々なことが笑って許せるはずだ。
▲時間経過で毒エリアが侵食を始め、戦いのエリアが縮小していく。このシステムも『PUBG』と同じだ。
基本プレイは無料。現時点ではゲーム内にアイテム購入などの課金要素は存在せず、実装されることも明言されていないため、実質無料ゲームの状態になっている。開発途上のインディーゲームをプレイして忌憚のない意見を送ることが好きな人や、デベロッパーにコンタクトを取って開発に参加したい人にはおすすめだ。
プレイ言語は英語一択となり、日本語インターフェース及び字幕・音声は非搭載。ただし内容は単純明快なアクションシューティングゲームなので、基礎的な語学力を持っていれば十分にプレイできる。汎用コントローラーでの操作はサポートされていないため、キーボードとマウスを使って戦うことになるぞ。
開発の初期段階にある作品をそのままリリースしてしまった感覚を覚えるユニークな新作『Valor』は、現在STEAMで配信中。アクションFPSを真面目に愛する人からは怒られそうな作品だが、中途半端なインディーゲームに力を貸して発展させたいと考える人にはおすすめできる新作PCゲームとなっている。
【おすすめポイント】 開発途上の作品を応援しよう!
今後の人気獲得は作者の奮闘次第
開発中の作品をそのまま送り出してしまった印象を受ける新作PCゲーム『Valor』は、Mason Gourlay氏の奮闘とさらなる開発が望まれるアクションFPS。バトルロイヤルの図式はしっかり再現できているが、現時点でAI操作のBOTが存在しないため、マッチングで人が集まらないとプレイをスタートすることができない。
それに加えて2021/8/4にはゲームが起動しない旨がアナウンスされ、作者から助けを求める文章がストアに掲示された。8/5には過去のバージョンに置き換えて一応起動するところまで復旧しているらしいが、これは作者が意図している状態ではないため、今後は原因の追究とオーバーホールが行われていく予定となっている。
▲誰の目に見ても不完全な状態でリリースされたのは明らか。ここからどのように変えていくかが問われる。
STEAMユーザーの評判も現状では芳しくなく、特に「Unreal Engine」のアセットをそのまま利用している点について手厳しい意見が多い。もう少し時間をかけて作者なりの「色」を加えたほうがウケも良いはずなので、トラブルの復旧に加えてMason Gourlay氏にはまだまだやるべきことが多く残されていると言えるだろう。
現在STEAMでは同じアセットを利用したバトロワゲーム『Royale Island Showdown』が配信されており、本作との類似点を指摘する声もある。だが『Royale Island Showdown』に関しては、同じアセットを使っているゲームであるにも関わらず「色つけ」が感じられ、ユーザー評価も非常に高い。
ゲーム開発で他社が提供するアセットをライセンス購入して使用することは違法行為ではなく(厳密な法的根拠に従っている場合)、その行為を非難することは間違っている。ただし元になるアセットに対して「作者の味付け」が感じられない場合、STEAMユーザーは決して首を縦に振ってくれないはずだ。
『Valor』は、試験的な段階にある状態のアクションFPSをそのままリリースしてしまったことが原因で低評価を受けているので、今後はしっかりとしたメンテナンスと再開発を行い、知識豊富なユーザーの助言を受けながらMason Gourlay氏らしい味付けの作品へと進化させてほしい。奮起が期待される新作PCゲームだ。
▲島全体を見渡せるマップも実装されているが、実際に行動できる範囲は非常に狭いのでほぼ不要。
幸いMason Gourlay氏はゲーム開発に対する提言や助言に関してオープンな姿勢を持っており、何かメッセージがあれば公式Discordに寄せてほしいと明言している。単純に知識と経験不足によって立ち往生している可能性も考えられるので、3DCGモデリングやプログラミングの世界に明るい人は、助けの手を差し伸べてみよう。
STEAMには個人で趣味のようにゲームを作っているインディーゲームデベロッパーから、世界中のユーザーを夢中にさせてくれるAAAクラスのタイトルを放つ大企業まで、千差万別のメーカーが作品を提供している。珠玉混合している点もまたSTEAMの魅力であり、インディーゲームには開発次第で「化ける」作品も多い。
Mason Gourlay氏に的確なフィードバックと助言が与えられ、氏が本気で本作を再構築しようと望んだ時、『Valor』が活気あるマルチプレイ型アクションFPSに化ける可能性は残されている。誰もが楽しく遊べるゲームを目指して開発を継続しているインディーゲームを支援したい人は、ストアで情報をチェックしよう!
【おすすめポイント】 今後の開発に期待の新作ゲーム!
Valorスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-4460 | Intel Core i7-8700K |
メモリー | 8GB | 16GB |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 760 | NVIDIA GeForce GTX 1060 |
VRAM | 2GB | 6GB |
HDD空き容量 | 30GB | 30GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 11 |
備考 | インターネット接続環境が必要 |
(C) Sillubilly2454.
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