2020/10/28から正式配信されているHappy Dog Interactive LLCの購入型PCゲーム。第二次世界大戦の印象的な世界を駆け抜けながら最大4名のCO-OPを楽しめるアクションFPS。
リアルな3Dモデリングで再現された第二次世界大戦の戦場、油断をすると即「死」が待ち構えているハードコアなゲームプレイ、フレンドと一緒に協力プレイを楽しめる要素が魅力で、早期アクセス版の作品をプレイして作者に改善点や要望などを伝えてゲームを完成へと導きたい人におすすめ!
第二次世界大戦をモチーフにした新作FPS!
現在PCゲームのポータルサイト「STEAM」で早期アクセス版が配信されている『Brothers in Blood: WW2』は、プレイヤー同士の協力プレイ要素を念頭に置いて開発中の新作PCゲーム。ノルマンディー上陸作戦など、第二次世界大戦で印象的な舞台の数々が登場するミリタリー系アクションFPS作品だ。
ゲーム世界は緻密な3Dグラフィックで再現され、スタート時に武器を選んでからステージを進行していくシステムを採用。プレイヤー同士の対戦要素は無く、ソロまたはCO-OP要素でステージ突破を目指していくことになる。オンラインPvPを求めている人には不向きな作品なので、その点は注意しておこう。
グラフィックはかなりの健闘を見せており、一人称視点で目にする武器類の描写も緻密。没入感満点の世界で第二次世界大戦の戦いを体験したい人や、リアルなゲームグラフィックを持つアクションシューティング作品を求めている人にはおすすめの新作FPS作品で、ヨーロッパの景色も見事に再現されている。
▲映画『プライベート・ライアン』冒頭に登場した「ノルマンディー上陸作戦」もしっかりと登場。
個人開発中の新作アクションFPS
本作を開発しているのは、インディー系ゲームデベロッパーの「Happy Dog Interactive LLC」。会社名はあるが、実際には個人でゲームを開発しているデベロッパーで、STEAMには本作で初登場した新顔。現在はユーザーからのフィードバックを募りながら作品の完成に向けて開発を進めているところだ。
早期アクセス版の現時点ではソロプレイでいくつかのステージをプレイすることが可能で、ルームを建てればマルチプレイで一緒に戦うこともできる。ただし早期アクセスの早い段階にある作品のため、協力プレイ向けに特別なゲームシステムが働くことはなく、ただ一緒に遊ぶ程度のことができるだけと考えておこう。
▲大戦下のヨーロッパを再現したグラフィックは中々リアル。白昼の戦いを存分に味わえる。
STEAMでの販売価格は1010円で、早期アクセス版の作品としては平均的な価格。インターフェースは英語のみで、日本語インターフェース及び字幕・音声は非搭載。ステージ内でアクションを指示するテキストが表示されるため、プレイを円滑に進めるためには基礎的な語学力が要求される点には注意しよう。
なお、本作は早期アクセスの初期段階にあり、詳しい点は後述するが色々な点で不具合が多く、時にプレイアブルな状態ではなくなる場合もある。バグや不具合を内包している状態の段階だという点を認識して、今後のアップデートでの改善を願いつつプレイするのであれば、支払った金額にも納得できるだろう。
【おすすめポイント】 リアルな戦場が展開する新作FPS!
リリースが早すぎた早期アクセス作品
第二次世界大戦の世界を協力プレイ要素で戦い抜けるというコンセプトの元で開発が進められている『Brothers in Blood: WW2』だが、STEAMに作品を公開するタイミングが少し早過ぎたようだ。実際にゲームを購入してプレイしたユーザーからは少なからず批判が殺到し、コミュニティー掲示板は炎上してしまっている。
ユーザーが最も問題視しているのは、敵兵士のAI。上手く噛み合った場合にはスムーズにバトルが始まるが、何かのタイミングで兵士が微動だにしなくなる時があり、その際に攻撃を加えてもダメージ判定が発生しない。完全な「置物」状態になった兵士を撃ちまくる様子はYouTubeのプレイ動画でも確認できる。
次に問題となっているのはステージのレベリング。ノルマンディー上陸作戦では輸送船の上からスタートするが、そこからジャンプして後方の海に落ちると、ステージレベルを抜き抜けて無限に落下してしまう。どちらも開発段階でデバッグすべき内容で、ユーザーからは当時の販売価格に対して「高すぎる」と文句が殺到した。
現時点では1010円で販売されている本作だが、登場時には倍近い価格が付けられており、内容と価格が一致しないという意見を受けて値下げを断行。だがその一方で掲示板ではユーザーとの論戦を繰り広げるなど、強硬な姿勢は崩していない。ここまで開発者を頑なにさせてしまったのは、「アセット流用」発言だ。
3Dモデリングの分野に造詣が深い人であればお分かりの通り、近年プロからアマチュアユーザーまで幅広い顧客を持つゲームエンジンには、そのままプログラミングに組み込める便利な3Dモデル「アセット」が搭載されており、中には商用利用を許可されている3Dモデルも多い。本作はそのアセットを利用した作品という訳だ。
このアセット利用疑惑について作者はすぐに認めたが、その一点で作品を貶めるのはおかしいと反論し、ユーザーとちょっとした小競り合いを繰り広げることになった。作者の言い分としては、アセットに自分なりのエディットを加えており、作品の開発には何千時間も費やしているので、侮辱するのは許せないということらしい。
▲ちょっとしたタイミングですぐに死亡扱いになるゲームバランスにも批判意見が寄せられている。
早期アクセス版としてSTEAMでリリースすることの美点は、インディーゲーム文化を愛するユーザーが多少の不具合を承知でゲームをプレイし、率直な意見やアドバイスなどをデベロッパーに送れるところにある。このプロセスが上手く噛み合っている状態であれば、正式版で素晴らしい作品へと進化を遂げることが多い。
だが本作の場合、作者がユーザーと喧嘩状態になっているため、解決の糸口を見つけ出すことは容易ではない。特に熱烈なファンが多い「第二次世界大戦」をモチーフとした作品なので風当たりが一層強くなっており、沈静化するためには作品を完璧な状態に仕上げるしか無くなっている。開発者の健闘に期待しよう。
【おすすめポイント】 今後の開発に期待の新作PCゲーム!
さらなる開発が待たれる新作!
早期アクセス版リリース直後の作品がプレイアブルな状態ではなかったため、熱心なインディーゲームファンから集中砲火を浴びることになった『Brothers in Blood: WW2』だが、その後細かいアップデートを敢行して半額へ値下げしたため、やや鎮静化へと向かっている。今後さらにアップデートを重ねていってほしいものだ。
本作の作者が偉いところは、コミュニティーへ寄せられた意見に対してきちんと返答している点。「早期アクセス版」のまま作品を投げ出してレスポンスも無いデベロッパーも多い中で、この姿勢は素晴らしい。批判意見もきちんと受け止め、そこから改善を図るべくさらに開発を進めている点には「本気度」が伺える。
「早期アクセス版」には明確な定義や定められた開発期間などがないため、常にデベロッパーとユーザーの信頼関係が重要になってくる。その点で至らない点を把握し、さらなる開発へと歩みを進めているHappy Dog Interactive LLCには、良い意味で「打たれ強さ」があると言えるだろう。
公式サイトでは「小隊」単位での協力プレイ要素を目指す旨も明記されているので、正式配信バージョンで実現すればヒットする可能性は十分にある。早期アクセス版の世界では、ユーザー評価最悪の状態から超人気作へと変貌を遂げた例は多い。批判を糧にしながら実直に開発を続け、是非本作にも同じ道を辿ってほしいものだ。
【おすすめポイント】 開発次第で化ける可能性もある新作!
Brothers in Blood: WW2スペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-6600K / AMD Ryzen 5 1600 | Intel Core i7-8700K / AMD Ryzen 7 3700X |
メモリー | 8GB RAM | 16GB RAM |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 960 / AMD Radeon R9 380 | NVIDIA GeForce GTX 1070 / AMD Radeon RX 5700 |
VRAM | 2GB | 4GB |
HDD空き容量 | 50GB | 50GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 12 |
備考 |
©2019-2020Happy Dog Interactive LLC.
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