「ダイイングライト(Dying Light)」はTechlandが2015/1/26にSteamでリリースされたFPSxアクションxハクスラの異色ホラーサバイバルゲームだ!
巨大なオープンワールドが舞台の「Dying Light」は、襲いかかって来るゾンビの群れを相手にパルクールで立体的に駆け回って活路を見出し、生き残る事を目的とした壮絶なサバイバル・ゲームだ。本作はただひたすらゾンビとの戦闘に明け暮れるようなゲームではない。プレイヤーにはメインクエストのチャプターごとに目的が与えられ、数少ない人間達と交流しながら少しずつ物語の核心へと迫っていく。
オープンワールド、アクション、FPS、そしてハクスラの要素を上手く融合させ、世界で50以上のゲームアワードを受賞し、Steamで10万近くの高評価を獲得したホラーサバイバルの最高峰。アクション、FPSゲーム好きには絶対おすすめ!
ゾンビが徘徊する恐怖の世界を「パルクール」で駆け抜けよう
本作はゾンビが出現するゲームの基本に忠実でありながら、残された人間達の戦いにも主眼を置いている。女性主人公ジェイドに協力する人物の存在や、敵対する事になる勢力が物語に一層の深みを与えている。
ゾンビは大体のっそりと動くが、たまに猛ダッシュしてくるゾンビも存在している。本作はオープンワールドでありながら、他のゲームでいう「ファストトラベル」(特定な場所に一瞬でワープする)機能がなく、どこかに移動したい時は徒歩か乗り物で行くしかない。幸いプレイヤーの移動速度はそこそこ早く、移動時間やゾンビに絡まれる具合はどれもあまりストレスを感じない程度であろう。
とはいえ油断するとやはり噛まれたり囲まれたりするので、基本は高い地形や屋根の上で移動することが多い。道路と比べてゾンビの数は断然少ないが、一部登ってくるゾンビもいるので気を付けよう。「パルクール」という地形を利用した移動動作はとてもアクションの見栄えがよく、立体的に動けるため移動の自由度も高く、勢いよく建物に登ったり飛び越えたりする様は爽快感抜群。
ファストトラベルがない割に移動はまったく苦労しない、むしろ「移動が楽しい」と思わせるのが本作の特徴。縦横無尽に駆け抜けられる爽快感はアクションゲーム好きにおすすめ!
リアルなグラフィックで臨場感倍増
プレイヤーは一人称視点をメインにキャラクターを操作する事になるが、目の前に広がる広大な舞台は細部まで作り込まれたリアリティ溢れる描写となっている。地面に投影される影や細かく作り込まれた樹木、廃車が点在するリアルな街並みがスタッフの注力を物語る。一人称視点の為に普段目にする事になるプレイヤー自身の両手の描写も非常にリアルだ。
▲力を込めて何かを握っている時に血管が浮かび上がる。
そしてある意味で本作の主人公とも言えるゾンビの作り込みとバリエーションも非常に豊富である。ホラー・ゲームの肝心な要素は生理、心理的な嫌悪感をプレイヤーに生じさせるという部分にあるが、本作の制作スタッフにはそれが良く分かっているようだ。日中に遭遇しても十分に恐怖感を感じる上、気色悪い事この上ない。
夜はゾンビの時間、出会ったら全力で逃げよう
ゲームを進めると、恐怖の時間帯「夜」がやって来る。夜間におけるプレイヤーの視界は極限まで狭められ、慎重に行動することを余儀なくされる。さらに厄介なのは夜間のみに出没する特殊なゾンビの存在。プレイヤーは見つかり次第追い回されるので、素早く対処しなくてはならない。
本作のゾンビ達は音に対して即座に反応する性質を持っているので、移動時や戦闘時には音にも細心の注意が必要となる。強力な銃火器も無闇に撃つとかえってゾンビを呼び寄せてしまうため、ダメージ覚悟で近接武器を使うことが生存に繋がるパターンも多い。暗闇の中で急に現れたゾンビと対峙するスリルこそが本作の醍醐味と言えよう。
戦闘においてはかなり硬派な設定となっており、一般のゾンビでも体力が高くてなかなか倒せない。さらに武器は耐久値が設定されており、修理はできるが一本につき回数の制限がある。ゾンビの大群相手に武器を振り回して無双するよりも、いかに最小限の戦闘で脱出経路を確保することが重要だ。
「聖域」となるセーフハウスでつかの間の休息
ゲーム中は襲われずに睡眠を取る事ができる「セーフハウス」が存在している。セーフハウスのほとんどはゾンビに占拠されている状態だが、敵を一掃して確保すれば拠点として利用することができる。強敵に追われている状態でもセーフハウスに逃げ込めば助かるため、まさにプレイヤーの「聖域」と言えよう。
一部のセーフハウスは、パルクールを駆使して高い場所に登らないと見つからない場合もあるので、隈なく探してアンロックするようにしておこう。移動中も常に神経を張り巡らさなければならないこの世界では、一息つける場所は何よりもありがたい存在だ。
銃よりも近接武器の種類が豊富
「Dying Light」に登場する武器のほとんどが近接武器である。ゾンビゲームで言うと銃で乱射するイメージが強いが、前述のように本作のゾンビは音で集まる特性があるので、手榴弾や銃器を使うと強敵を呼び寄せてしまう大きなリスクがある。
近接戦闘用の武器には「バット」「レンチ」「包丁」「ナイフ」「パイプ」「小型ハンマー」「バール」「つるはし」など、一部は民家の棚や箱の中から設計図を発見する事でクラフトできるようになり、中には火炎、電撃などの属性を付与できる設計図もある。クラフトで作成した「火炎瓶」、「爆発手裏剣」などは音で誘導してからまとめて燃やすといった戦略的に攻撃したい場合に有効な武器になる。
▼自分の足も強力な武器だ、助走を付けばドロップキックをゾンビにお見舞いすることも可能。
武器によってはアップグレードも可能で、さらに色で表される「レア度」の違いによってスペックが異なる物も存在するので、いわゆるハクスラ的な要素も楽しめる。ゾンビの大群をかわしつつ探索をしっかり行いたいところだ。
武器がない場合は肉弾戦だ。ドロップキックなど豪快な体術でゾンビを蹴り飛ばすことができる。そのたび頭やら手やらが吹き飛ぶこともあるが、ゾンビなので気にせず蹴散らして行こう。第一人称であるためキックのリーチはややわかりにくいが、ゾンビが比較的に大人しい昼間に肉弾戦の距離感や操作方法を練習しておけば、いざ武器が壊れた時の生存率も上がる。
他のプレイヤーとのマルチ要素も完備
「Dying Light」ではマルチプレイモードが用意されている。Coopと呼ばれる協力プレイとPvPと呼ばれる対人戦の2種類だ。簡単に言うとCoopの場合は他のプレイヤーと協力してミッションをこなし、PvPの場合は人間とゾンビに分かれて対戦を行う。ゾンビ側の勝利条件は人間10人を倒すことで、人間側の勝利条件はゾンビの巣を5つ破壊する。
PvPではゾンビ(ナイトハンター)になった側の戦闘能力がとても高く、「襲撃」というスキルを使用する事で人間を一撃で葬ることができる。よほど腕の差がない限り人間側が1vs1で勝利するのはほぼ不可能だが、PVPではゾンビは必ず1体に対して、人間側は最大4人でチームを組める。さらに人間側はUVライトを使ってゾンビに光を当て続けると、襲撃を封じたり行動を制限したりすることが可能だ。PVPが始まったあとにも人間側は乱入できるので、初期が負けていても後から入ってきた助っ人によって逆転することも珍しくない。
また、PVPをせずストーリーに集中したい人は、侵入をオフにしたり、侵入の許可頻度を調整したりすることも可能。遊び方は自由に決められるのでPVPを強要されることはない。
極力面倒な要素を排除し、ゲームを純粋に楽しめる作り
ゾンビから逃げて素材を集めて武器を作り、レベルを上げてスキルを獲得して、ストーリーもサイドクエストもこなして、おまけにオープンワールドでファストトラベルなし...これだけ見ると「面倒くさそう」と思う人もいるかもしれないが、本作はストーリーの進行に合わせて、新機能や盛り上がる展開を入れ込んでいるため、実際にプレイして「気づけばエンディング」という人も多い。
また、レベルは普通に探索やストーリー進行のうちに上がるので、いわゆるレベリング作業は必要ない。移動もパルクールや中盤で解禁されるフックによる立体的な動きができるため、爽快感のあるスピーディーな移動を楽しめる。
本作は戦闘、移動、サバイバルの面において「よくあるゾンビゲーム」と一線を画す作品であり、FPSやアクション、ゾンビゲームが好きな人には絶対見逃せないおすすめの一本だ!
ダイイングライト(Dying Light)スペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 7(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-2500 / AMD FX-8320 | Intel Core i5-4670K / AMD FX-8350 |
メモリー | 4GB | 8GB |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 560 / AMD Radeon HD 6870 | NVIDIA GeForce GTX 780 / AMD Radeon R9 290 |
VRAM | 1GB | 2GB |
HDD空き容量 | 40GB | 40GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 11 |
備考 | インターネット接続環境が必要 |
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