『フロストパンク(Frostpunk)』は、2009年からポーランドのワルシャワを拠点に活動し『This War of Mine』で有名な11bit studiosが開発し、2018年4月24日よりsteamで配信している、氷河期を迎えた地球を舞台に最後に残った街の指導者として、極限の中でその市民とインフラを管理することが求められる社会サバイバルゲーム!
「社会での存続を確かなものとするために、どのような決断を下すのか?」「岐路に立たされた時、どのような選択をするのか?」「その中で、あなたは何者となるのか?」が問われる。
単なるサバイバルゲームではなく、生き残るための理由を見つけるゲームとなっている点が面白い♪
舞台は極寒の世界
人々は蒸気機関のテクノロジーを駆使し凍てつく寒さから身を守っている。
町の支配者は、市民とインフラストラクチャーを管理する必要に迫られるだろう。もちろん十全な資源などなく、限られた状況下で常に道徳性を問われることになる。
時にはその決断によって市民と衝突することになるかもしれない。支配者は町と社会の管理に時間の多くを費やすが、外界の探査もしなくてはならないだろう。
人気作『This War of Mine』の“11 bit studios”が開発
『フロストパンク(Frostpunk)』を開発したのは、ポーランドの首都ワルシャワを本拠地とし、2009年から活動しているゲームスタジオの"11 bit studios"。
"11 bit studios"は、今までタワーディフェンスならぬタワーオフェンスゲームの『Anomaly:WarzoneEarth』を2011年に発表し、2012年にはかわいらしいバズルゲームの『Sleepwalker'sJourney』などもリリースしている。
中でも特筆すべき作品は2014年に制作された『This War of Mine』だろう。
戦時下における一般市民をテーマとしているゲームとしては珍しい特徴をもっている。
主人公は、兵士となって悪い敵をやっつけることもできなければ、敵の親玉を倒すなんてこともできない。
ただただ無為に日々を過ごし誰も抵抗できない戦時下という不安に押しつぶされながら生き残るしかないのだ。
極限的な生存ゲームとして注目を集めたこの作品は世界的に高評価を得たわけだが、本作「フロストパンク」はこの系統の作品と言える。
課題は山積み!!無限に広がる土地の開拓と町の運営!
『フロストパンク(Frostpunk)』は、町の周囲に無限に広がる氷を蒸気に変換し電気を作りながら、町を拡張していく都市建設型のゲームなのだが、ただその営みの中で住民は何を思うだろうか?
限られた資源を市民に与えず町の拡大に注力したとしたらその社会は不満を溜めることになるだろう。
『This War of Mine』のような切迫した状況にプレイヤーは追い込まれるに違いない。
特に食料の確保は町の運営にとって最重要課題となるだろう。食料が供給できていれば問題はないが、やがて食べるものが尽きても人々は何かを食べなければならず、ひょっとしたら極限状況下ではカニバリズム的なことすら考えるかもしれない。
限界に近づいたときあなたは何をするか?そして、あなたはその過程で誰になるのか?
◆希望を維持する
生存とは、「希望」と「生きる意志」についてだ。人々の中でこれら二つを刺激され、維持することが成功の決定的要因となる。
◆法律を作る
社会は、同じ規則を守り、同じ信念を共有する人々の集まり。法律や習慣を確立することはあなたの社会を形作る重要な要素になる。
◆あなたの選択の重さ
児童労働を許可するべきか?病気やけがにどう対応するべきか?あなたの道徳心が試され、判断が試される。
ゲームのリードデザイナー“JakubStokalski氏”は、「プレイヤーは、心が引き裂かれる思いがするだろう」とまで言っている。
ぎりぎりの状況の中、人々への食料の供給という現実的でプリミティブな問題は常につきまとうのかもしれない。どちらを選んでも悔いが残るような選択をプレイヤーは迫られるのだろう。
仮想の極限状況にある社会を維持し拡大せよ!
2016/08/30に公開された『TheFall』というタイトルのトレーラー映像はいきなり雪に埋もれた男性の死体が映し出される。
ナレーターがか細くつぶやいているのは、16世紀から17世紀にかけて活躍した詩人でもある音楽家、トマス・キャンピオンによる詩『Now Winter Nights Enlarge』の引用だ。
冬の厳しい寒さから逃れ祝祭を迎えたかのような暖かい家で過ごすことの喜びを表現している。
映像の人物は死の間際まで、この詩を思い出しながら凍てつく土地で息絶えたのかもしれない。そんなことを考えると実に感傷的になる。詩の意味を思い浮かべながらトレーラーを再度見てみると良いだろう。
これだけでは、このゲームが一体どんな目的を持っているのかは全くわからない。そして、2017/04/11に発表された『Whiteout』で、その具体的な内容が少しずつ見えてくる。
上記画像の文字に「ANONYMOUS,XIXCENTURY」とあることから19世紀の無名の者による格言ということになる。日本語にすると次のようになるだろう。
「それは個人の強さではなく、数の強さについてのことだ」
ここで語られている「それ」は「社会」のこと。本作のテーマとも合致する1つの力を現している。社会シミュレーションゲームであることが明示されている瞬間と言えるかもしれない。
そして、次にシーンは絶壁を登る壮年の男性、足元を滑らせ落下するも青年に受け止められ…やがて2人とも崖の下へと落ちていきます。
崖上では幾人もの同じような人々が蒸気機関の町へ向かってゆく光景が映し出されてトレーラーは終わる。
人の死が実に軽い。
冒頭の格言の通り、そこには個人の能力など関係なく、ただ役割を与えられた数として人を表現しているのかもしれない。
極限状況で果たして人間は生活していくことができるのだろうか。個人の力の及ばない、数としての人々の力を体験することになるだろう。
電気の供給、町の拡大、食料の供給、どの要素にも常に厳しい選択が待っているはずだ。
限界にある社会をプレイヤーはどのように運営、発展していくのか・・・「フロストパンク」は、新しいゲームジャンルとしても注目しておきたい!!
フロストパンクスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 7/8/10 (64-bit) | Windows 10 (64-bit) |
CPU | 3.2 GHz Dual Core Processor | 3.2 GHz Quad Core Processor |
メモリー | 4 GB RAM | 8 GB RAM |
グラフィックカード | GeForce GTX 660, Radeon R7 370 or equivalent with 2 GB VRAM | GeForce 970, Radeon RX 580 or equivalent with 4 GB VRAM |
VRAM | 2 GB | 4 GB |
HDD空き容量 | 8 GB | 8 GB |
DirectX | Version 11 | Version 11 |
備考 |
© 2017 11 bit studios
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