『ALTF42』は、2024/6/5からPCゲームのポータルサイト「Steam」ストアで正式配信されている開発:PUMPKIM、パブリッシング:GRAVITYの購入型PCゲーム作品で、理不尽かつ不条理な難易度を誇る物理演算系のステージに挑戦しながらゴールを目指していくプレイ要素が最高に面白いおすすめの新作アクションゲームタイトル。
ニワトリに変えられてしまった「王様」を元に戻すために様々な苦難に挑んでいく主人公「ドンキー」を描くユニークな世界観設定、キャラを背後のカメラ視点で見ながら不条理な展開が待ち受けるアクションへと挑戦していくリプレイ性満点のゲームプレイ、奇妙かつ凶悪なトラップの数々が大きな特徴となっている必見のPCゲーム作品。
物理演算の効いた世界を舞台に、苦難の連続に挑戦して活路を見出すプレイ要素が好きな人、最速クリアタイムを叩き出して世界中のプレイヤーの「頂点」に君臨することを目指したいと思っている人、大手の企業では決してリリースできない「アイデア勝負」なインディーゲームをコレクションすることが好きな人におすすめの新作ゲーム。
- 不条理な難易度
- 実況配信向け
- ユーモラスな世界観
激ムズ難易度を誇るアクションゲーム
現在PCゲームのポータルサイト「Steam」ストアで正式配信中の『ALTF42』は、シュールな世界観とストーリー設定、そして多くのプレイヤーを悩ませるであろう凶悪なアクション要素が光るおすすめの新作PCゲーム。プレイヤーは主人公のドンキーとして、ニワトリに姿を変えられてしまった王様を救うための冒険へ乗り出していく。
プレイ視点は主人公のドンキーを背後から見るサードパーソンビューを採用。3Dモデルで製作されたマップ内で様々なトラップをかいくぐりながらゴールを目指すことになる。人気作『Getting Over It with Bennett Foddy』のような「忍耐力」を要求される激ムズ難易度が作品最大の特徴で、大いなる試練の数々に挑んでいくことになるぞ。
「死ねば最初から」というキャッチコピーを持つ本作には、任意の場所でセーブできる機能が存在せず、文字通りゲームオーバーになったら「最初からやり直し」になる。突発的に主人公へ襲いかかってくる凶悪なトラップは初見ではまずクリアできない難易度を持っており、トライアンドエラーの繰り返しが巻き起こっていくことだろう。
基本横型のプレイ画面を持つ『Getting Over It with Bennett Foddy』とは異なり、本作では奥行きのある画面でプレイが進行していく上、全てのアクション要素が非常に素早くやって来るという特徴がある。近づくといきなり爆発する骸骨や、どこからともなく襲いくるパトカーやフライングシャークなどのトラップを華麗に回避していこう。
ちなみに本作のタイトルの由来ともなっている「Alt + F4」は、Windows OSを強制終了(シャットダウン)させる時に使う短縮コマンド(ショートカットキー)で、これはプレイヤーがPCをシャットダウンさせたくなるくらいゲーム内容が難しいことを示唆している。ネーミングセンスも一級品なインディーゲームで、遊び心満点な新作タイトルだ。
カオスな世界観が光る新作
甲冑に身を包んだ主人公は中世ヨーロッパの時代を彷彿とさせるが、ゲーム内には過去から現代まで様々なロケーションが登場するため、非常にカオスな雰囲気を醸し出している点もポイント。主人公名の由来になっているであろう「ドン・キホーテ」は狂人だったという言い伝えが残っているが、まさにそんな精神面を具現化したような作品だ。
この奇妙なアクションゲームを開発したのは、インディーゲームデベロッパーの「PUMPKIM」氏で、パブリッシングは「GRAVITY」が担当。Steamストアには記事執筆時点で379件ものユーザーレビューが寄せられており、その総評は「やや好評」となっている。後述する技術的なトラブルに関する低評価が作品の評価に影響しているようだ。
ちなみに本作の開発を手掛けた個人デベロッパー「PUMPKIM(キム・サンウォン)」氏は、サイコロジカルホラーアクションゲーム『11F』の作者としても知られている人物。同作は本サイトでもご紹介しているので、氏の作風に共感した人や、単純にホラーアクションゲームで遊ぶことが好きな人は、こちらのタイトルも併せてチェックして欲しい。
本作は2023/3/31に「早期アクセス版」としてSteamストアに登場後、様々なアップデートを経てついに正式バージョンへと進化を遂げた必見の新作インディーゲームタイトル。日本人のプレイヤーも数多く本作で遊んでおり、世界的な人気ゲームへと上り詰めている。早期アクセス価格で購入した人は、無料で正式版にアップグレードできるぞ。
日本語インターフェースに対応
Steamストアでの販売価格は920円で、現在は「リリース記念セール価格」となる20%OFFの736円で購入できる(2024/6/19までの期間限定価格)。いずれにせよ1,000円以下で購入できるお手軽なインディーゲームタイトルであり、フレンドへのプレゼントとしても最適。激ムズなゲームをプレゼントして、一緒にクリアタイムを競い合おう。
『ALTF42』はソロプレイ専用のゲーム作品となり、ローカルまたはオンラインでのマルチプレイには非対応となっている。作品は標準でXboxコントローラーでの操作も部分的ながらサポートしているので、普段コントローラーを使ってゲームを遊ぶことが多い人でも安心だ。直感的な操作スタイルと瞬時の判断を要求される世界を楽しもう。
なお、製品はValveの携帯ゲーム機「Steam Deck」には非対応となっているため、Deckユーザーは注意。その要因は本作のグラフィックがSteam Deckに「最適化されていない」ことにあるが、この点に関してデベロッパーもパブリッシャーも対応させる予定は無さそうなので、Steam Deck向けにアップデートされるという望みは捨てておこう。
システム要件
『ALTF42』のシステム要件は中程度。Steamストアで提示されている推奨グラフィックボードはRTX 2060クラスのものとなり、メインメモリの推奨搭載量も16GBと一般的。現行のミドルスペック帯にあるゲーミングPCがあれば十分にプレイできる作品と言えるだろう。幅広い人が楽しめる土壌が整った新作インディーゲームタイトルだ。
CPUの推奨モデルはIntelのi7-8600Kクラスとなっており、プロセッサーの面でもやや敷居は低いと言える。インストールサイズは20GBと一般的なサイズに収まっているため、普段多くのゲームを保持してストレージがやや逼迫気味な人でも、安心して導入できる。今後ダウンロードコンテンツが追加される予定もないため、この点も安心だ。
なお、早期アクセス版の段階でAMDのRadeon系グラフィックボードを用いた際に「描画不具合」が出るという意見があり、それが全体的なユーザー評価にも影響を及ぼしているが、現時点でもAMD製品の特定モデルで影響が出ていることが複数報告されているため、Radeonユーザーの人は注意が必要。解決策は掲示板なども参照して欲しい。
本来であれば開発者やパブリッシャーが様々な環境下でゲームの「テストプレイ」を行い、ユーザーが挙げている声と不具合環境を検証していくことが正しい開発姿勢ではあるが、PCゲーマーの環境は多種多様であり、それら全てを再現できなかった可能性もある。この点は資金に乏しい中小のデベロッパーやパブリッシャーが抱えている難問だ。
Steamストアで購入したゲームには、一定期間内であれば返金できる制度がもれなく付いてくるので、実際にゲームを購入後、明らかにおかしなプレイ画面を見ることになった人や、そもそもゲームが起動しなかったという人は、期日内に「返金申請」を行って購入金額を取り戻そう。ユーザー自身に「自衛手段」がある点もSteamの魅力だぞ。
脅すような文面になってしまい、少々申し訳ない気分ではあるが、裏を返すとNVIDIAのグラフィックボードを使っているユーザーからは不具合報告が挙がっていないため、同じ環境にある人にはおすすめできるインディーゲーム作品と言えるかもしれない。AMDのグラフィックボードを使っている人は、上記事項に十分な注意を払っておこう。
リリース記念キャンペーンも開催中
現在Steamストアには、『ALTF42』の正式バージョン開始を記念した各種「キャンペーン」についてのページも登場している。最下部にある「スピードランチャレンジ」についてはすでに応募期限が切れてしまっているのだが、日本人ユーザーもランキングに入っているという結果となっていたので、あえて掲載させていただくことにした。
『ALTF42』正式リリース記念キャンペーンの概要
◆正式版リリース記念セール開催!◆
『ALTF42』の正式版配信を記念して、2週間限定で「リリース記念セール」を開催いたします。
通常価格の20%OFFでご購入いただけますので、この機会をぜひお見逃しなく!
◆『#勇死自慢』動画投稿キャンペーン開催!◆
『ALTF42』の正式版配信を記念して、「『#勇死自慢』動画投稿キャンペーン」を開催いたします。
本作を遊んでいて面白いと思った死亡シーンの動画を、X上でハッシュタグ「#勇死自慢」をつけて投稿してください。
抽選で合計2名様に素敵なプレゼントを進呈いたします!
開催期間
2024/6/5(水)~ 7/4(木)23:59 JST
応募方法
@start_gravityJP に投稿された『#勇死自慢』動画投稿キャンペーン投稿を引用リポスト
その引用リポストに、面白いと思った死亡シーンの動画とハッシュタグ「#勇死自慢」をつけて投稿
※YouTube上に投稿した動画 or ショート動画をURL転載でも応募可
※その他詳細につきましては、公式X(@start_gravityJP)にてご確認ください。
◆「ALTF42 Speedrun Challenge」開催!◆
『ALTF42』の正式版配信を記念して、賞金総額5,000ドル のスピードランチャレンジイベント「ALTF42 Speedrun Challenge」を開催いたします。
期間中に、ステージクリアまでのプレイ動画を該当イベントページ(以下記載)にアップロードすることで参加可能となります。
参加者の中からクリアした時間の早い上位10名様に賞金が贈られますので、腕に自信のある方は奮ってご参加ください!
開催期間 および イベントページ
2024/6/5(水)~ 6/12(水)23:59 UTC
不条理な難易度を持つゲーム世界で数々のトラップをかわしながらゴールを目指していくおすすめの新作インディーゲームタイトル『ALTF42』は、現在Steamストアで好評配信中。早期アクセス版の段階からしっかりと作り込みと開発を行い、「物理系激ムズアクションゲーム」という人気ジャンルの中へ食い込んできた必見のタイトルだ。
日本人プレイヤーも続々と参戦している人気作で、ゲームの実況配信動画もYouTubeへアップロードされ、その認知度を急速に高めている。一筋縄ではいかない高難易度なゲームプレイに惹かれる人には断然おすすめできるアクションゲーム作品だ。興味が湧いた人は今すぐSteamストアへアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしよう。
【おすすめポイント】アクションゲーム上級者も必見!
ゲームプレイの流れ
プレイ開始直後に表示されるホーム画面からは、ゲームの描画品質に対して細かく調整を施すことができる設定画面へ入れる。自分のゲーミングPCが持っているポテンシャルに応じて、各種のグラフィック設定を都度エディットしていくと良いだろう。無論実際にゲームを起動してからこの画面を弄っていくのもOKだ。
プレイがスタートすると、画面奥に向かって主人公のドンキーとニワトリに変えられてしまった王様が進んでいくアクションシーン場面が展開。不規則に画面上にテキストが表示され、それらしいことを語っていくが、実際のプレイにはほぼ関係がない内容なので、このテキスト部分に気を取られないようにプレイを進めていこう。
ちなみに画面上に哲学的なテキストが出現するスタイルには前述した激ムズアクションゲーム『Getting Over It with Bennett Foddy』の影響が感じられる。本作の作者であるPUMPKIM氏も、おそらく『Getting Over It with Bennett Foddy』をプレイしたことがあるのだろう。激ムズゲームの源泉を見たような気になれる新作だ。
主人公のドンキーが背負っているニワトリ(王様)は、それを投げてアクションを起こす役割も担っている。なお、プレイ画面下部にはニワトリと主人公のステータスが表示されるので、一応気にしておこう。インターフェースはシンプルそのもので、現在チャレンジしているエリアのミニマップなどは表示されず、非常に見晴らしが良い。
物理系のシステムが必要以上に効いている本作では、半端ないジャンプ力で断崖を突破していくシーンも登場。足をすべらせて崖の傾斜に引っかかった際にも、ジャンプを駆使しながら復帰できることもあるため、独自のモーションに慣れるほどプレイが円滑に進んでいくはずだ。面白おかしい物理演算の場面をたっぷりと堪能しよう。
現在プレイしている主人公キャラクターが落下などによって死亡した場合、画面に「You Died」という文字が出現し、すぐさま「最初からやり直し」となる。この際プレイ画面に大きく「◯番目の騎士」というテキストが登場して、その数はゲームオーバーを繰り返す毎に増えていく。ネタゲーの趣旨をよく分かっている新作ゲームだ。
本作はマップが一本道ではなく、ある程度プレイヤーが試行錯誤できる余地がある点で面白く、何が起こるのか全く予想がつかない展開もかなりシュールで良い。全編が操作パートではなく、適宜ムービーのカットインが入るなど、作り込みの緻密も好評価ポイント。全体的にハイクオリティーな新作アクションゲームと言えるだろう。
マップ内でプレイヤーに「ああしろ」「こうしろ」という指示が一切登場しない本作は、そのカオスな世界観を甘んじて受け止めながら激ムズアクションに挑戦できる人にこそ向いているタイトル。模索していく中でかなりのゲームオーバー画面を見ることになるだろうが、飽くなき探究心でそれを乗り越えられる人におすすめの新作だ。
総評:高難易度アクションゲームは「美味しい」
前項で言及した『Getting Over It with Bennett Foddy』のような高難易度ゲームには、特定の人々を苛立たせる内容が含まれるが、その反面ゲームを実況しながら配信していく人たちにとっては格好の「素材」となり得る。実況者が何度も同じ場面で「スタック」している映像は滑稽であり、視聴者の注目を大きく引き寄せるからだ。
近年はゲーム実況で生計を立てている人も居るほど、実況配信のジャンルには流行が巻き起こっており、その中心となって牽引している人の中には、決してゲームが得意ではない人たちも含まれる。視聴者にとっては自分たちであれば軽く乗り越えられる状況に「引っかかっている」配信者の様子が面白く、そこに配信者側の勝機も生まれる。
ここで明確にしておきたいのは、失敗するリアル動画で見られる「ヤラセ」要素が無いことが重要だという部分。天然に下手なプレイを繰り返す実況者ほど面白みが増し、また再現性が少ない状況も生まれていくため、普通にゲームをクリアした人が見ても「面白い動画」になる。例えゲームが下手であっても、再生数は大きく稼げるのだ。
ある意味「ポンコツ」ぶりで視聴者を楽しませているのがタレントの狩野英孝さんで、彼の決してヤラセではない「リアルな反応」が視聴者を獲得している大きな魅力となっている。彼のプレイは一般人と同等かそれ以下のクラスで、決してゲームの達人ではない。強いて言えば「下手の横好き」なのだが、それが最高に面白い。
狩野英孝さんはプレイ中に数々の「名言(迷言)」を残していることでも有名で、生配信を後からエディットした編集動画にも大きな需要が生まれている。特にホラーゲームでは思わず笑ってしまう場面の連続も巻き起こることがあり、筆者も楽しませて頂いている。ゲーム業界に欠かせないゲーム好きタレントとして人気の存在だ。
「人がゲームをプレイしているのを見て面白いのか」という素朴な疑問を抱く人もいるかもしれないが、そんな人はまず巷に溢れているゲームの実況動画、それも多数の登録者数を誇る人の動画を一度見て欲しい。自分が一切操作出来ない状態でプレイを眺めることに変わりはないが、エンターテインメント性に溢れる内容に惹かれるはずだ。
圧倒的な技術力を持つプレイヤーにも需要が
無論圧倒的な技術と操作方法を披露しながら軽々とゲームをクリアする動画にも大きな需要はある。世界的に人気となっているのは「最速タイム」でゲームをクリアするスゴ技を披露しているチャンネルで、こういった動画に人気が出るのは、多くのプレイヤーが到達できない次元の技と操作能力を配信者が持っているためと推察される。
多くの人が初見では何回もゲームオーバーの憂き目を見るであろう本作『ALTF42』も、上記のリリース記念キャンペーンにおいて「最速タイム」を競い合う賞金イベントを開催している。今やゲーム開発を進めるデベロッパーやパブリッシャーが実況配信における需要を意識している時代で、この流れは今後も継続していくことだろう。
大いなる反射神経と操作テクニックを要求される激ムズなゲームタイトルに挑戦することが好きな人、そしてその成果を「最速タイム」という偉業にまで昇華できる人は、実況配信の分野で活躍できる可能性がある。顔出しを行うことなく幅広い人がチャレンジできる分野なので、我こそはと思う人は挑戦してみるのも一興だ。
『ALTF42』に話を戻すと、本作は実況配信に向いている作品であり、そのプレイ内容が下手であっても、上手くても視聴者を惹きつける「美味しい」ゲームタイトルだと言える。何度もゲームオーバーになる映像を生み出せば「やっぱりね」と共感を呼び、最速タイムを叩き出せば「あの人は凄い」と尊敬されていくはずだ。
YouTubeの世界にはSteamのインディーゲームタイトルをまめにプレイして、その内容を配信している実況者が世界レベルで存在する。彼らが活動を続けるモチベーションや動機の1つには「収益」があるだろうが、何よりコメントを残してくれる視聴者の存在が最も大きいはずだ。本作をプレイした動画は、人気上昇に繋がる可能性がある。
そうした意味もあり、このゲームを1人で黙々とプレイするのは非常に勿体ない。動画配信は思っているよりも簡単にできるため(相応の環境を事前に整える、出費が生じるなどもあるが)、年代を問わず「やってみようかな」と思った人は、『ALTF42』のプレイ動画配信にチャレンジしてみて欲しい。それが開発者にも本望なはずだ。
実況配信はどんな影響を与えるのか
ただしその一方で、新作ゲームのプレイ動画がすぐに世界中へ出回っていく現象は、果たしてゲーム本体の売上向上に繋がっているのであろうか。これに関して筆者は「諸刃の剣」という見解を抱いている。ゲームの認知度は実況配信動画によって飛躍的に伸びていく一方、動画でお腹がいっぱいになるユーザーも存在するだろうという考えだ。
最近ではゲームの予告動画で実際のプレイ画像をフィーチャーしているものも多くなっており、これは「ゲームが実際にはどんな仕組みで動いていくのか」を視覚的に説明できる大きなアドバンテージと言える。ただし公式の動画は肝心な部分をプレイヤーに楽しんでもらうために「程度な編集」が行われており、ワクワク感を阻害しない。
その一方で新作ゲームを実況配信している動画は、ゲーム内容のほぼ全てを映し出してしまうため、その動画を見たプレイヤーは「自分が作品をプレイした気に」なってしまう。そうはならない場合もあるので一概には決めつけることはできないが、ゲームを実際にプレイして味わえる「驚き」が半減していくことは間違いない。
ゲームを提供している開発者やパブリッシャーが配信に対してOKを出している背景には、宣伝費の不足とインフルエンサーによる拡散で広告効果を狙う部分が多く、ストーリー自体にシークレット要素がある作品に関してはNGが出ることもあるのだが、現状では世に出回っているほぼ全てのゲームが実況動画化している傾向が強い。
映画に目を転じると、公開前に何故か本編映像の重要な部分がYouTube動画として出回ってしまうことがあり(リークの可能性大)、これによって興行収入に多大なダメージが与えられることがある。ゲームの世界では「先行プレイ」の権利を得た動画配信者が真っ先にプレイ動画をアップロードしているが、導かれる結果はほぼ同じだ。
意思が固いユーザーは、自分が楽しみにしている作品の顛末を先に見てしまうということを何としても避けようとするだろうが、世の中にいる多くのカジュアルなゲーム好きはそこまで深く考えずに動画を見てしまう。これが新作リリース時のインパクトを軽減してしまっていることは確かで、業界的には「諸刃の剣」と言えるのだ。
上記の流れとは反対に、ロックスター・ゲームスのように秘密主義を押し通す賢明な企業も一部存在しているが、大概のゲーム作品は発売前の認知度という点でそれほど世間の注目を集めることができず、苦肉の策としてインフルエンサーに「先行プレイ」をお願いする傾向がある。広告を上手く扱えなかった故の最終手段と言えるだろう。
一見するとインフルエンサーがゲームを先行プレイすることは、動画配信者とゲーム企業の両者にとってWinWinな関係性に見えなくもないが、この中で置き去りにされているのは「ゲームを発売日まで楽しみに待っているユーザー」であり、ネット上の「ネタバレ」をかいくぐらないと純粋に楽しめない風潮が生まれてしまっている。
筆者はドラゴンクエストのファミコン版をリアルタイムで経験してきた世代だが、当時新作の内容に関する情報は非常に希薄であり、想像と期待で発売日まで胸が高まったものだ。それに比べると現代のゲーム好きユーザーは、発売前からゲームに関するあらましやその結末まで知ることもできてしまうので、かなり不幸だと思う。
実況配信動画を見る・見ないは完全に個人の自由であり、発売前にゲームについて詳しく知っておきたい気持ちもよく分かる。ただその一方で「ミステリアスな展開」「ワクワク感」が消え去ってしまったことは、果たしてゲーム業界にとって「良いこと」なのだろうか。この辺のビジネスモデルには再考の余地があるのではないだろうか。
筆者の理念としては「ゲームはユーザーのためのもの」であり、作品をその手でプレイすることを楽しみに待っている人たちを「ネタバレの世界」へと誘うような商法には疑問を感じる。SNSをフル活用しようという考えは間違っていないが、その「やり方」には異論や議論の余地が十分に残されているのではないだろうか。
ここまで散々渋いことを書き連ねてきたが、非常にドライな視点で見ると『ALTF42』には実況配信動画に向いている傾向があるため、真逆の見地から作品に迫ってみた次第だ。ここで警告しておくが、本作の世界観を自分自身で楽しみたいと考えている人は、今出回っている動画の類を一切見ないでプレイを開始した方が面白いはずだ。
不条理な難易度を持つゲーム世界で数々のトラップをかわしながらゴールを目指していくおすすめの新作インディーゲームタイトル『ALTF42』は、現在Steamストアで好評配信中。実況配信を行っている人や、これから実況配信をやってみたいと考えている人にとっては断然おすすめのタイトルで、再生数も大きく回ることだろう。
マルチプレイ機能は実装されていないが、フレンドや家族と一緒にプレイ画面を見ながら遊ぶのにも向いているゲームなので、環境を整えられる人はみんなと一緒にワイワイ盛り上がっていくのも一興だ。興味が湧いた人は今すぐSteamストアへアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしよう。
【おすすめポイント】配信向けとしてピッタリの新作!
ALTF42スペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-4460 | Intel Core i7-6700K |
メモリー | 8GB | 16GB |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 760 | NVIDIA GeForce GTX 1060 |
VRAM | 2GB | 6GB |
HDD空き容量 | 20GB | 20GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 12 |
備考 |
(C) GRAVITY.
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