『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』は、2024/6/8からSteamで正式配信されている開発:Slug Disco、パブリッシング:Hooded HorseのPCゲームで、戦う蟻(アリ)を率いながら自分の戦略性と計画性、そして戦術要素を楽しめるPC向けの新作リアルタイムストラテジーシミュレーションゲーム。
様々な蟻をフィーチャーした世界でRTS要素を体験できる必見のゲームシステム、プレイヤーが戦略性を発揮してアリのコロニーを導きながら、虫の世界で恐ろしい脅威に立ち向かっていくプレイ体験、危険との遭遇に備えて進化していく成長システム、リアリティー満点のグラフィックが大きな特徴のタイトル。
昆虫の世界に興味があり、特に蟻の生態を知ることが好きな人、リアリティー満点のグラフィックを体験できるリアルタイムストラテジーゲームで遊びたいと考えている人、1人でじっくりとプレイを楽しめるPCゲームを求めている人、長期間開発が進められて正式配信に至った完成度の高いインディーゲームを探している人におすすめ。
- 蟻の世界をリアルに再現
- RTS要素満点の世界
- 頭脳プレイで遊べる新作
蟻の王国を発展させる新作SLG
現在PCゲームのポータルサイト「Steam」ストアで正式配信中の『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』は、プレイヤーが「蟻の王国」を導きながらリアルタイムストラテジー要素を持つプレイを体験できるおすすめの新作。戦術と戦略性を存分に発揮しながら遊べるシミュレーションゲーム作品だ。
本作がSteamストアに初登場したのは2017年の12月。「早期アクセス版」タイトルとして配信が始まり、その後実に6年6ヶ月の開発期間を経て、ようやく正式バージョンのお披露目に至った必見のインディーゲーム作品だ。開発の中心となったのは僅か3名のメンバーで、本作がいかに慎重に開発されてきたかがよく分かる。
早期アクセス版の段階からSteamユーザーの圧倒的な支持を獲得していた本作は、現在までに10,482件に及ぶレビューを獲得しており、その総評は「非常に好評」。さらに直近593件にレビューに至っては総評が「圧倒的に好評」と、これ以上ないスタートを切っている。着実にゲームシステムが進化してきた証拠と言えるだろう。
ちなみに本作を開発したSlug Discoは、イギリスを拠点としているインディーゲームデベロッパーで、自身のSNSや公式サイトを運営している。公式サイトでは本作の制作過程を記述したブログ記事を見ることもできるようになっているので、本作で彼らのファンになった人は、一度Slug Discoの公式サイトをチェックしてみよう。
一般的に「早期アクセス版」のゲーム作品は、未完成の状態で世界の幅広いプレイヤーに遊んでもらい、そこでユーザーが感じた意見や不具合の報告を受けながら調整を重ねていく。本作の場合は作品を熱心に遊ぶファンから好意的なフィードバックが寄せられ、アップデートを重ねる毎に順当にシステムが成熟してきた印象だ。
大手パブリッシャーや開発スタジオが生み出す新作ゲームの場合、会社の都合上正式版発表までの「デッドライン」が設定されていることも多くあり、開発チームが納得いかない状態で「完成」とされて作業が打ち止めになる事例も少なくないが、本作の場合には一切の妥協を許さずに推敲を重ねた形跡も窺える。まさに「労作」だ。
本来全てのゲームがこのようなプロセスを辿って「完璧な状態」のままリリースされて欲しいところではあるが、個々の開発者にも「事情」があり、そうはいかないのが世の常。丹念に開発が進められ、開発者が精魂込めて生み出したゲームに出会うことは少なく、そういった意味で本作の存在価値は非常に貴重なものと言えるだろう。
『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』の世界
何百という戦士たちが、そのあごを軋らせて激しく衝突する。その頭上を飛び交うのは蟻酸の砲弾だ。夜が訪れる中、働きアリたちの生き残りは甲虫たちを避けながら、巣へ餌を運ぶために急いで地下へ戻っていく。
食料はもう尽きている。補充しなければ、帝国間で進行中の戦争に加わる増援が羽化することはないのだ。茂みに潜む帝国――Empires of the Undergrowthに、休んでいる暇はない。
働きアリたちが、地表をせわしなく走り回っている。そのうち数匹が、巣へと貴重な食料を持ち帰ってきた。この食料は、やがて新たな戦士たちの血肉となる。育児室から出ていった戦士たちは、目的地と、そこへ向かう途中ですべきことを教えてくれるフェロモンの匂いを熱心にたどり、援軍として前線へと合流するのだ。
このアリたちこそが、コロニー最後の砦だ。アリたちが持って生まれた目的はただひとつ――戦線を維持せよ!
勝利は目前だ! 間一髪のところで到着した援軍のアリたちが、恐れなど物ともせずに忌まわしき怪物へ立ち向かう。今日の実験では、サディスティックな科学者はヤドカリとサソリを掛け合わせ、身の毛もよだつ脅威を作り出した。だが、これまでの実験でも自然の摂理に反した敵と戦ってきたコロニーは、賢く進化を遂げてきている。
長きにわたった戦いが終わり、恐るべきキメラがよろめき崩れ落ちようとしたその瞬間、新たなる敵が戦場に現れた。天高くから降りてきた奇妙奇天烈な存在の手が、援軍アリたちの半数を押し潰す。はるか彼方から、科学者が邪悪な笑い声を響かせた。かくして、戦況はまた雲行きを変えたのだった……
AIと戦う昔ながらのリアルタイムストラテジーやシーズンごとのユニークなチャレンジとは別に、Empires of the Undergrowthにはストーリーがメインのキャンペーンモードも用意されている。
謎めいた新種のアリであるFormica ereptor、別名「ジーンシーフ」をめぐる研究所での実験と同時に、様々なアリたちが本来の生息地を探索するドキュメンタリー調のミッションを進めていこう。
ドキュメンタリーミッションを攻略すると資源が手に入り、進行が引き継げる研究所のコロニーを強化したり、自分好みのプレイスタイルに合うよう進化させたりできる。「科学」の名のもとに何度も行われる容赦のない実験にアリを送り出そう。だが、実験だからといって甘く見ないことだ……
ゲームの特徴
リアルタイムストラテジーゲームに落としこまれたミクロサイズなアリたちの世界で、広大な巣の建設と複雑な群れの管理を通して「自分だけの帝国」を作り上げていくことがプレイヤーの使命。虫たちの世界でユニークな敵と戦いつつ、蟻たちの繁栄のチャンスを探してプレイを楽しもう。RTSの醍醐味を存分に体験できる新作ゲームだぞ。
なお、本作は昆虫の世界を非常にリアルなグラフィックによって再現しているゲーム作品なので、そもそも昆虫のアップ画像を見て「グロテスク」だと感じる人には全く向いていない。アニメ調に可愛くデフォルメされた昆虫とは全くことなる「そのまま」の状態を見ることになるので、苦手な人は今すぐこのページを閉じてしまおう。
蟻の巣を構築
多種多様な種の「兵隊アリ」キャラクターたちを激しい戦闘シーンへと赴かせながら、屋台骨である「働きアリ」たちに的確な指示を出し、拡張を継続できる蟻基地の建設・管理を行うプレイも体験できる本作では、絶対に死守しなくてはいけない「女王アリ」を中心としたミクロのコロニー建造要素もたっぷりと味わうことができる。
隣接した育児室で生まれたアリたちのチームを、それぞれ「フェロモングループ」に割り当てることによって、各フェロモングループは、グループごとに分かれたフェロモンマーカーの置かれた位置へ向かって移動し、各マーカーに設定された指示に従って戦闘時などの状況判断を行う。蟻に関する一般的な知識と教養も要求されるぞ。
最初は中央にある「女王アリの部屋」からスタートし、食料庫や育児室、通路から形成される広大なネットワークを備えた最適な形へと蟻の巣を発展させるべく、働きアリたちに指示を出していくことが求められる。ヘックス型タイルがベースとなっている土と岩の迷宮を掘り進みながら食料を探し、地下に住む他生物たちから身を守ろう。
プレイを進める中で判断を誤ってコロニーが飢餓に陥ってしまい、新しい卵からアリたちが生まれないという差し迫った状況になってしまった場合、道中の敵に狙われるリスクにさらしてでも、兵隊アリたちを食料の収集に集中させるべきか、それとも全体の効率を犠牲にしてでも安全を確保すべきかなど、プレイヤーの判断も問われる。
危機的な状況に陥った際には巣を掘削し、部屋を作り、卵の配置と世話をする最低限の働きアリたちを残しておくなどの決断を下さなくてはならないため、リアルタイムストラテジーゲームらしいプレイ要素を存分に味わいながらゲームを楽しめるはず。状況に対して的確に対応する能力を養いながら、蟻たちの帝国繁栄を目指していこう。
外界での戦い
蟻たちの食料のメニューには、植物の種子や蜜、菌類や他の昆虫たちなどのメニューが存在。蟻の巣を出て外界へと赴くことに取って入手できるこれらの食料の「選択肢」はかなり豊富に用意されているが、それぞれの食料が持つ固有のリスクと試練を「戦略」で乗り越えなくては入手できない。頭脳プレイ要素が要求される新作ゲームだ。
テントウムシを撃退して繰り返し採取できる食料を提供するアブラムシを守るか、若いコロニーを夜行性の生物たちに包囲される危険に晒すのか、決断はプレイヤー次第。もしもプレイヤーが下した決断によって「連鎖反応」が起こった場合、リアルタイムで刻々と変化する状況に素早く対処しなくてはコロニーが破滅することもありうる。
夜は食料を探して確保することができる貴重な時間だが、その分無防備なアリたちは日没後の地表をうろつく脅威の餌食になるかもしれないという不安要素がある。また朝が来れば、コロニーは夜の脅威の代わりに競合相手である他のアリのコロニーと戦うことになる。昼夜を問わず危険に曝されるゲーム世界も作品の大きな魅力と言えるだろう。
蟻たちよりも遥かに大きい生物たちは、備えが足りないコロニーにとってはすさまじい脅威になる。優れた戦術なしで打ち倒すのは極めて困難であり、異なる生物によって独自に戦術を編み出していかないと、瞬く間に窮地へと追い込まれてしまうことだろう。バトルシーンの困難さも際立つおすすめのシミュレーションゲームタイトルだ。
多彩な種類の蟻たち
『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』には、全く異なる特性を持つ蟻が登場。アギトアリは近接戦闘に優れるが、ハキリアリ・メジャーは生まれながらの守護者。敵の注目を自分に引きつけながら、仲間のアリたちが奇襲や合流、逃走できるようにすることで自分の役割を遂行する。
ヤマアリに関しては、強力な蟻酸の長距離射撃に特化したタイプか、それより直線的な蟻酸の高速射撃に特化したタイプのどちらかに進化させることが可能。それぞれの種が持っている「生来の強み」や「弱点」を組み合わせてシナジーを見つけ出し、競争相手のコロニーたちとの戦争に備えて守りを固めていくこともプレイヤーの使命だ。
ここまで見てきてお分かりの通り、本作に登場する蟻には明確な役割分担があり、それはオンラインRPGなどのゲーム作品における「職業 (クラス)」の分類にも似ている。クラスが持っている能力を発揮しながら最大限に効率的な戦術を発揮することが得意な人には向いているタイトルで、試行錯誤しながら続ける面白さを味わえるはずだ。
攻撃パターンや生まれ持った武器能力、そして異なる成長経路を持つ複数のアリたちを管理しながら、今いる環境に存在する「独自の危険」に対処していくプレイ要素も作品の大きな魅力。地下マップと地上マップの両方で同時に複数発生する侵略戦に対処できるように準備を整えつつ、蟻たちのマネジメント能力を発揮していくことも大切だ。
ミクロの世界をフィーチャーしている作品ではあるが、リアルタイムストラテジーゲームとしての完成度は一級品であり、これまでに数々のRTSタイトルをプレイしてきた人にも「歯ごたえ」を感じさせてくれるはず。蟻たちの世界をいかに発展させていくかに腐心できるため、思わず長時間プレイに没頭してしまうこと間違いなしだ。
日本語インターフェース対応
Steamでの販売価格は3,980円で、現在はリリース記念セール価格となる35%OFFの2,587円で販売中(2024/6/22までの期間限定価格)。割引の幅がかなり大きく、非常にお買い得な値段になっているので、作品をプレイしたいと思った人は6/22までに忘れずにゲットしておこう。良心的なセール価格も光る新作PCゲームだ。
なお、早期アクセス版の段階で本製品を購入していた人は、正式バージョンとなる「1.0」へ無償アップグレードできる。追加料金一切不要で正式バージョンの状態を遊べるようになるので、少しだけプレイしてライブラリに残している人は、この機会にゲームを起動してアップデートを受け、完全な状態へと持って行くと良いだろう。
ゲームは標準で日本語インターフェースと字幕をサポートしており、海外のゲームが苦手な人も安心。操作体系に関しては一般的なキーボードとマウス以外に、Xboxコントローラーでの操作がフルサポートされているので、普段コントローラーを使ってゲームを遊ぶことが多い人でも安心だ。解除できるSteam実績も合計で133種類もあるぞ。
ちなみに本作はValveの携帯ゲーム機「Steam Deck」とも互換性があるが、プレイ判定は「プレイ可能」で、一部のテキストがかなり小さく表示されるという点で完全な互換性認証には至っていない。緻密なゲームグラフィックが魅力でもある作品なので、できれば小型のディスプレイよりも大型のPCモニターで遊びたいところだ。
システム要件
最新ゲームタイトルでありながら、PCへの要求スペックが低めに設定されている点も『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』の魅力。推奨要件で提示されているグラフィックボードはNVIDIAのGTX 550 Tiクラスとなっており、要求されるVRAMも1GBとかなり低い水準になっている。
CPUの推奨モデルはIntelのi5-2400クラスもしくはAMDのFX-8100クラスのプロセッサーで、推奨されるメインメモリの搭載量も8GBと敷居が低い。現行のローエンドなゲーミングPCがあれば問題なく遊べる作品であり、幅広いセッティングを持つPCユーザーが参入できる土壌も整ったゲームタイトルだと言えるだろう。
インストールサイズは5GBとスマホアプリ並みの軽さ。普段数多くのゲームを保存してストレージが逼迫しているユーザーでも安心してダウンロードできるメリットが有る作品で、今後ダウンロードコンテンツが登場してゲーム世界が拡張していくという予定も立っていないため、入れっぱなしにしていても不安要素がないという点も魅力だ。
ミクロの世界で蟻たちを導きながら自分の戦略性を大いに楽しめるおすすめの新作リアルタイムストラテジーシミュレーションゲーム『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』は、現在Steamストアで好評配信中。長きに渡った早期アクセス版をようやく脱して登場した必見のインディーゲームタイトルだ。
ここ日本でも数多くのファンを生み出していった人気作であり、RTSで遊ぶことが大好きな人には無論のこと、昆虫たちの生態や活動に対して興味をいだいている人にもおすすめできるPCゲーム作品に仕上がっている。興味が湧いた人は今すぐSteamストアにアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしてみよう。
【おすすめポイント】蟻を率いて帝国を生み出せ!
ゲームプレイの流れ
このセクションでは、本作をまだプレイしたことがない初心者ユーザーに分かりやすいように、『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』のチュートリアルセクションについて記述している。プレイ済のユーザーにはほぼ不要な記述となっているので、該当する人は総評まで読み飛ばしてほしい。
ゲームを立ち上げるとホーム画面が出現し、そこでプレイボタンを押すことで「チュートリアル」「ストーリー」「ゲームのカスタマイズ」「アーケード」に分かれる4項目が出現。ゲームの特徴や基本システムについては前述の通りだが、初見でこの作品をプレイする人はまず「チュートリアル」へアクセスし、理解を深めておこう。
チュートリアルを開くと最初に蟻の巣の映像が登場。プレイ画面の左上にミッション達成目標が表示されるようになっているので、まずはこれに従っていこう。最初に提示される「お題」は12個のタイル(ヘックス状になっているもの)を掘削することで、基本中の基本である「蟻の巣の拡張」について学んでいくことになるぞ。
プレイ画面には女王を中心とする巣の様子が映し出され、掘り進んでいない地中はブラックアウトした状態で表示されている。マウスカーソルを任意のヘックスに重ねて指示を出すことによって「働きアリ」がトンネルを掘るように巣を拡張していってくれるので、一連のアクションと操作体系を体に染み込ませながらプレイを進めよう。
12個のタイルを掘り進めると最初のタスクが完了し、次に「採掘したエリアにクロアリ:兵隊アリの育児室を建設する」というお題が出現。領地を拡張しながら建造可能な施設を生み出していくという流れは一般的な建国シミュレーションゲームと全く同じ仕組みであり、その舞台が「マクロの視点」になっている点で面白さがある。
育児室で卵が育ち、やがて兵隊アリが生まれる。また働きアリは中心に位置する女王アリから卵をもらいに移動するなど、プレイ画面で「何が起こっているのか」という状況はテキストによって表示されるようになっているため、蟻の生態に関してあまり詳しくない人であっても、蟻の巣がどのように発展していくかをすぐに理解できるはずだ。
蟻のファミリーが増えてきたら、今度は食料を探して獲得していく場面が展開。遠くに食料がある場合、収集の役目を担う兵隊アリは気付かないため、プレイヤーがフェロモンマーカーを設置して兵隊アリを食料があるエリアへと誘導しなくてはならない。やや複雑だが、プレイを重ねる毎に徐々に操作の感覚を掴むことができるだろう。
集めた食料は保管場所が必要。最初は女王の真下にあるタイルに保管できるが、多くの食料を確保するためには新たな保存場所を掘削して作っていく必要があり、そこにコロニー発展の面白さも生まれてくる。チュートリアルセクションは決まった場所に指示されたものを生み出していくが、本番では自分で考えながら拡張することになるぞ。
チュートリアルセクションのプレイ中には、実際のゲーム内で役立つ数々のTIPも表示されていくので、面倒でもこれらの文章を呼んで理解していく姿勢が必須。はやく実際のプレイを進めたい気持ちはよく分かるが、何も知らないままに自然界で蟻の帝国を発展させようとすると、必ず痛い目を見ることになる。時に辛抱も必要なのだ。
このセクションでは、プレイ画面に表示されるインターフェースとアイコンの役割についても丁寧に教えてくれる。表示されるテキストのサイズはやや小さいが、日本語翻訳の完成度は非常に高いので、初見でも迷わずにゲームに関する知識を蓄えていける点がポイント。繰り返しになるが大型のPCモニターでプレイしたほうが遊びやすいぞ。
本作では蟻の巣が広がっていくと、プレイ画面内に収まりきらなくなっていくが、そんな場合にはカメラ移動を行って任意の場所にスクロールできるようになっているので、これを活用しながら様々なアクションを同時展開していこう。プレイ中は常にリアルタイムで時間が流れているので、的確な判断と操作が成否を分けるポイントになる。
また、自分が拡張した蟻の巣の構図をしっかりと理解しておくことも大切で、これを行うことで危機的な状況が発生した場合の対処スピードにも違いが生まれるはず。ミニマップは画面左下で確認できるようになっているので、このミニマップも有効活用しながら、最優先で行いたいアクションを的確に実行できるようにしておこう。
大型昆虫との戦いが発生するシーンはまるでMMORPGのボス戦のような演出で、緊張感のある戦いを体験できるはず。前項で述べた通り、敵の種類によって立ち回りや作戦を変えながらアプローチする必要があるため、それが見事にハマって「勝利」を収めた際には、これ以上ない喜びも体験できるだろう。やりこみ要素満点の新作ゲームだ。
総評:蟻の巣拡張が最高に面白い新作
約6年6ヶ月という膨大な歳月が投じられて完成した『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』には、現実世界の蟻たちが持っている生態をいかにストラテジーゲームへと落とし込んでいくかという苦労と努力が窺える。真面目に昆虫たちの生態に向き合った結果、遊び甲斐満点のゲームが生まれた印象だ。
まず、プレイ画面の工夫として平面の断面図風に仕上げたところにセンスが感じられる。実際の蟻の巣はもっと立体的な構造を持っており、それをゲーム内で再現することも不可能ではないが、一部の表現に難しさも生まれ、何よりプレイヤーが構造を把握し辛い結果になってしまう。これを平面的な描写で回避した点が見事だ。
巣の構造を平面的な描写にすることによって、長年多くのPCゲーマーに親しまれてきたRTSゲームのプレイ画面構造を保持する結果にも繋がっており、見下ろし型のプレイ視点で素早く様々な指示とアクションを繰り出せるという「操作の効率化」も獲得している。実際の生態をゲーム的にアレンジしていった手法が高評価ポイントだ。
各種の特性を持った蟻たちを進化しながら立派な兵隊を生み出していくプレイ要素も建国ストラテジー作品らしい要素であり、蟻たちにとっては脅威となる昆虫に立ち向かっていく戦闘要素にも緊張感が伴って面白い。人間が主人公のRTS作品と比較しても「本質」の部分では全く同じなので、RTSファンもすぐに馴染めることだろう。
その一方やや「お硬い」印象を受ける場面もある点は、本作の評価を分けるかもしれない。チュートリアルではもっとポップな演出があっても良さそうではあるが、これは開発メンバー全員が非常に真面目な気質を持っているためにストイックな内容になっていると推察される。エンタメ要素はやや薄く、その点で好き嫌いが分かれるはずだ。
しかしながらアセットなどに頼らず、自分たちでゲームデザインのすべてをフルスクラッチで生み出している点は間違いなく高評価ポイントであり、独創性とアイデアは称賛に値する。本作以前にも蟻を主人公とするSLGは出ていたが、あえて該当作品と被らないような作風に収めているため、パクリゲームとは全く異なる作品になっている。
ゲームプレイのバランスややりこみ要素が素晴らしいことは、Steamストアに寄せられているユーザーからのレビューでも明らかで、開発メンバーたちがフィードバックに向き合いながら「最高のリアルタイムストラテジーゲーム」を作ろうと苦労してきた形跡も垣間見える。完成度抜群の新作ゲームで、長時間夢中になれること間違いなしだ。
ミクロの世界で蟻たちを導きながら自分の戦略性を大いに楽しめるおすすめの新作リアルタイムストラテジーシミュレーションゲーム『Empires of the Undergrowth エンパイア・オブ・ジ・アンダーグロウス』は、現在Steamストアで好評配信中。蟻の巣を発展させていく行為がこれ以上なく面白い必見のインディーゲームタイトルだ。
RTSの仕組みが好きな人であればすぐに打ち込める要素があり、また変にデフォルメせずにありのままの昆虫たちを描き出している点でも素晴らしいゲーム作品と言える。ゲームに興味が湧いた人は今すぐSteamストアにアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしよう。
【おすすめポイント】蟻の帝国を発展させよう!
Empires of the Undergrowthスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 7 (64bit) | Windows 10 (64bit) |
CPU | Intel Core i3-4340 | Intel Core i5-6600K |
メモリー | 4GB RAM | 8GB RAM |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 660 | NVIDIA GeForce GTX 1060 |
VRAM | 1GB | 3GB |
HDD空き容量 | 2GB | 2GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 11 |
備考 |
(C) Hooded Horse.
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