2019/11/7からSTEAMで正式配信されているCCP Gamesの無料PCゲーム。超多人数参加型宇宙船MMOとして知られる『EVE ONLINE』の最新技術をデモで体験できる新作MMOバトルシミュレーション。
最新ゲームらしい洗練された高精細なグラフィック、広大な宇宙空間で大規模なPvPを楽しめるスケールの大きなプレイ要素が大きな魅力で、本格SFの世界観が好きな人、世界中のユーザーが接続して遊ぶMMOをプレイすることが好きな人、かつてないMMOバトルを体験できる作品を求めている人におすすめ。
ギネス記録を超えろ!
現在PCゲームのポータルサイト「STEAM」で配信中の『EVE Aether Wars - Tech Demo』は、ユーザーが広大な宇宙空間で資源採取や戦闘を楽しめる宇宙船MMO『EVE ONLINE』に実装される予定の最新技術を「デモ」という形で体験できる新作PC向けMMOバトルシミュレーションゲーム。
『EVE ONLINE』は2003年から運営が続いている老舗のPC向け宇宙船MMORPGで、5000以上の星系で構成される宇宙空間に数千単位のプレイヤーが参加できる点が魅力。本作はその『EVE ONLINE』が持つ戦闘同時参加人数の「上限押し上げ」と「技術の限界に挑む」という目的で実施されるデモ版となっている。
『EVE ONLINE』は過去に戦闘同時参加人数6142人というギネス認定記録を持っており、本作『EVE Aether Wars - Tech Demo』ではそれを遥かに超える10000人の同時参加を目指す。超大規模な宇宙船MMOの技術的限界に挑むという野心的な試みが光るPC向けMMOバトルシミュレーションだ。
なお本作はあくまでバトルにおける同時接続人数の限界を図るためのデモバージョンであり、『EVE ONLINE』が持っている多彩なコンテンツにアクセスできるわけではない。プレイできるのはプレイヤーが1箇所に結集してデスマッチを繰り広げる大規模バトルコンテンツで、開催される期間も限定されている点に注意しよう。
広大な宇宙空間内で1万人規模のユーザー同士が熾烈な戦いを繰り広げるという点が魅力の『EVE Aether Wars - Tech Demo』。数回に分けて実施されるテストの結果次第では『EVE ONLINE』がさらなる高みに達することも十分に期待できるため、今後の稼働状況が気になる作品と言えるだろう。
【おすすめポイント】 超多人数バトル実現を目指す意欲作!
PHASE形式で進むプロジェクト
『EVE Aether Wars - Tech Demo』はPHASE(段階)形式で進行する『EVE Aether Wars』プロジェクトの第3段階。CCP GamesとHadean・PlayFab・Steamが協力して実現した本プロジェクトは、2019年に段階を経て進行し、現在の状態に落ち着いている。壮大な計画の元進行する技術デモだ。
第1段階の「PHASE One」は2019年3月の「GDC 2019」で実行され、3852人のリアルプレイヤーが参加。マルチプレイ専用デスマッチが持つ「大いなる可能性」を世界に認識させた。この日だけで14274隻の宇宙船が参戦するという上々の結果をもたらし、第2段階である「PHASE Two」へ希望を繋いでいる。
第2段階「PHASE Two」は「Gamescom 2019」で実施。5000人以上のプレイヤーが大規模なマルチプレイバトルに参加した。専ら技術的な問題点を探り出す試みとして実施された本テストでは帯域幅の数値などがチェックされ、負荷がかかることによって発生するストレスへの対策などが洗い出された。
そしてSTEAM上に発表された本作『EVE Aether Wars - Tech Demo』は「PHASE Three」にあたる第3段階。単一のマルチプレイヤーPvPビデオゲームにおける同時プレイヤー人数の記録更新を掲げてスタートした同プロジェクトの山場とも言える段階で、これまで数回テストが実行されている。
『EVE Aether Wars - Tech Demo』最新のテストは2019/11/23にロンドンO2アリーナで開催された「EVE Invasion ワールドツアー」ファイナル内で実施された。AIとリアルプレイヤーの同時参加人数が10000を超えた瞬間もあったが、残念ながらギネス記録更新には至らず、という結果に終わっている。
ただし同じバトルフィールドに10000人のプレイヤーが接続可能という点は証明されており、今後への期待をつなぐ結果となったことは大きな前進といえるだろう。プロジェクトの次なる動きに関してはまだ正式発表されていないが、再度ユーザーに協力を仰いでギネス記録に再チャレンジする可能性は十分にあり得る。
【おすすめポイント】 今後のテストに期待が高まるPCゲーム!
MMOの可能性を広げる作品
『EVE Aether Wars - Tech Demo』は「10000人同時接続」という大きな野望を掲げて登場したPCゲーム作品だが、むしろ気になるのはその目標を可能にしているHadean社のゲームエンジン「Aether Engine」。大規模なマルチプレイ対戦を可能にした本エンジンの実力は、今後のゲーム業界に波紋を投げかけそうだ。
本作には「クラウドゲームの可能性を探る」という目標もあり、3段階まで進行したテストでは通信時のストレス値が計測されていた。技術的な詳細は明らかにされていないが、1万人規模の接続を行った際にレンダリングする画像を一部クラウドベースで配信することによって負荷を軽減する目的があるのだろう。
クラウドゲームサービスはクラウドベースでゲームをホスティングする技術を導入した配信形態。サーバー内でレンダリング処理された画像をユーザーが受信する仕組みを持ち、通信環境さえあれば誰でも均一なプレイ画像を得られるとされる。スペックに左右されず多くのユーザーが高品質なゲームを遊べる点がポイントだ。
推奨スペックを見てお分かりの通り、本作はダウンロード形式のゲーム作品であり、ストリーミングのみで実現する純粋なクラウドゲームとは体裁が異なる。言わばレンダリングの一部をユーザー側に負担させるハイブリッド形式でクラウドゲームの可能性を探っている段階にも映るが、その詳細は伏せられたままだ。
クラウドゲームの技術自体は10年ほど前から存在しているが、世界的に見ても本格始動の段階にはなく、現在も水面下で準備が進んでいる状態。そんな中本作は激しい戦闘シーンが発生するデスマッチを1万人以上の規模で動かせることを証明し、「Aether Engine」のポテンシャルを誇示することに成功した。
「Aether Engine」自体がまだ研究段階にあるため今後の見通しは不明瞭だが、少なくともクラウドゲームの技術を応用したゲームエンジンとサーバーシステムが超多人数同時対戦を可能にすることは証明された。これがゲーム業界全般に普及していけば、MMO作品は今までとは比べ物にならないプレイ人口を獲得するかもしれない。
大いなる夢に向かって前進を続ける『EVE Aether Wars - Tech Demo』は、MMOの進化形態を見届けたいと考える人にはおすすめのPCゲーム。今後本作の「PHASE」が第4段階に入るかは未定だが、同時戦闘参加人数1万人超えという偉業を達成する瞬間に立ち会いたい人は、ダウンロードしても損はないだろう。
【おすすめポイント】 超多人数参加の未来を切り開くPCゲーム!
EVE Aether Wars - Tech Demoスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10 | |
CPU | Intel i5 | |
メモリー | 4GB | |
グラフィックカード | ||
VRAM | 4GB | |
HDD空き容量 | 10GB以上の空き容量 | |
DirectX | Version 10 | |
備考 |
(C) CCP Games.
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