【POOLS (プールズ)】ジャンプスケア要素を排除した静かな世界でサイコロジカルホラー体験を味わえる新作ゲームが配信中

『POOLS (プールズ)』は、2024/4/26からSteamストアで正式配信されているTensoriのPC向けサイコロジカルホラーウォーキングシミュレーター。

リアリティー満点のプレイ画面で静かに進行していく心理的・精神的なプレイ体験、人間が本能として五感に備えている恐怖感覚に訴えかける演出、孤独の境地へと追い込まれていく不気味なゲームプレイ要素が大きな特徴。

ジャンプスケア要素を備えていないホラーアクションゲームを探している人、根源的な恐怖心理に対面しながらプレイを進められるホラーゲーム作品を求めている人、センス抜群のインディーゲームが好きな人におすすめの新作。

人間の恐怖心理に迫る新作ゲーム

現在PCゲームのポータルサイト「Steam」ストアで好評配信中の『POOLS (プールズ)』は、道に迷う・暗くて狭い空間という「人間が持つ恐怖心理」を顕にしたおすすめのサイコロジカルホラーウォーキングシミュレーター。

ゲームは6つの「章」で構成されており、プレイ時間は平均で10分から30分程度とかなり短い。ただしその時間内に体験していく心理的な恐怖体験は、他のホラーアクションゲームタイトルとは全く異なる「異質なもの」だ。

一般的にホラーアクションゲームは「プレイヤーを驚かせる仕掛け」、つまりジャンプスケア要素を大々的にフィーチャーしていることが多いが、本作にはそのような要素やギミック、演出などは一切登場しない。

突如マップ内に「モンスター」や得体のしれない霊体などが登場してプレイヤーを追いまわすことはなく、ただ一人称視点で映し出されるマップ内部を探索しながら、ゲームのクリアを目指すという基本要素が展開する。

そんなストイックな作品でありながら、本作は発売後に947件ものSteamユーザーレビューを獲得しており、その内容は「非常に好評」と上々な滑り出し。一体本作の何が世界のプレイヤーに受け入れられているのだろうか。

ゲームの特徴

本作のプレイ画面は至ってシンプル。オーバーレイ表示されるインターフェースの類は存在せず、恐怖感を盛り上げるように常時流れるBGMも無い。画面を通り越して実際に「その場に居る」雰囲気に浸れる仕掛けが絶妙だ。

最新ゲーム作品らしい高精細なグラフィックは、3Dモデルに高い「現実感」を与えることに成功しており、無機質なモデリングが「怖さ」を増幅する。おぞまじい造形こそ登場しないが、何故か本作のマップは不気味で「怖い」。

BGMは存在しないものの、作品は「環境音」を実装しており、通り過ぎる場所によって「異なるエコー」が発生するなど、音響面での緻密な仕掛けが施されている。リアルな視覚効果と音響演出を持った注目のPCゲーム作品だ。

これらの要素は、人間の根底にある「根源・基本的な恐怖心」に訴えかける効果を持っており、例えるのなら「人が居ない校舎」のような側面を感じさせる。自分だけが存在するということがひたすら怖いSLG作品と言えるだろう。

この感じ方はプレイヤーによって全く異なるだろうが、人の気配がない場所には何かしら「精神的に訴えかけるもの」があり、一度恐怖心が芽生えるとそれがとめどなく増殖していく。サイコロジカルな恐怖要素が面白い新作だ。

ホラーゲームの開発者として、敵らしき敵も登場せず、またジャンプスケア要素も一切封印することには大きな勇気がいったと思われるが、こうした「雰囲気で攻めてくる」ホラーゲームは少数派なだけに、注目度も非常に高い。

ゲームタイトルにもなっている「プール」の質感とデザイン・表現力も非常に高く、足音を含め「その場に居るかのような体験」を得られること請け合い。臨場感と恐怖感が一体になって迫ってくる必見の新作PCゲームタイトルだ。

展開していく各章に応じてユニークなシチュエーションがあり、最後まで飽きずにプレイできるはず。異変察知型のタイトルではないが、徐々に不気味さを増す雰囲気作りが上手く、没頭しながら遊べる作品と言えるだろう。

新感覚のホラーゲームを探している人には断然おすすめできるタイトルで、ジャンプスケア要素が苦手だが、ホラーゲームでは遊びたいと思っている人にもうってつけのPC向けウォーキングシミュレーターとなっている。

無料のデモバージョンも配信中

Steamストアでの販売価格は1,250円で、現在はリリース記念セール価格となる10%OFFの1,125円で購入できる。少しでも安くゲームを手に入れたい人にはおすすめの割引なので、すぐにストアで製品をゲットしよう。

ちなみにストアでは無料で作品の「さわり」を体験できるデモバージョンも同時配信中。製品の価格は安価だが、自分に合ったゲームなのかどうか判断してから購入するのも悪くはない。親切設計も光る新作ゲーム作品だ。

ゲームは標準で日本語インターフェースと字幕・音声に対応と記載されているが、厳密にはテキストも音声も一切発生しないユニバーサル仕様の作品なので、海外ゲームが苦手という人でも安心してダウンロードできるはずだ。

作品はソロプレイ専用タイトルとなっており、ローカル及びオンラインでのマルチプレイには非対応。オンライン要素が無い分、サーバー絡みのトラブルとも無縁でプレイできるので、ある意味で安定感のあるゲームだ。

操作体系はキーボードとマウスを用いる従来の方法以外に、XboxコントローラーとPlayStationコントローラーでの操作をフルサポート。普段コントローラーでゲームを遊ぶことが多い人でも安心してプレイを楽しめる。

解除できるSteam実績は16種類とやや少ないものの、ゲームのボリュームを考えれば妥当な数であると言える。本作以上に値段が高いゲームであっても、Steam実績が1つも無い場合もあるため、有り難く実績の全解除を目指そう。

なお、Valveの携帯ゲーム機「Steam Deck」との互換性については現時点で表示が存在せず、調査中と見られる。Steamストアには毎日のように新作ゲームがリリースされているので、調査が追いついていないのであろう。

システム要件

美麗な3Dグラフィックを体験できる作品だけあって、PC環境への要求スペックは「中程度」となっている。推奨要件で提示されているグラフィックボードは、NVIDIAのRTX 3060クラスもしくはAMDのRX 6700 XTクラスだ。

CPUの推奨モデルはIntel i5もしくはAMDのRyzen 7クラスで、2018年以降に製造されたプロセッサーが指標となっている。現行のミドルスペック帯のゲーミングPCがスイートスポットと言えるかもしれない。

インストールサイズは2GB程度とスマホアプリ並みの軽さ。ストアでは推奨要件に250MBと誤記されているが、恐らく2.5GBの間違いと思われる。誤表記はユーザーに何のメリットもないので、開発者はただちに修正すべきだ。

総評：最新グラフィックだからこそ成立する世界

本作で作者は思い切ったゲーム作りを行ったと言えるが、それを可能にしたのが最新の3Dゲームグラフィック表現技法ではないかと思う。これだけのリアリティーがあるからこそ、プレイヤーはすぐに虚構の世界へと飲まれていく。

開発者は将来的に「VRゲーム化」への構想も仄めかしているが、初期段階から「超現実世界」のような空間で不安にかられていく要素を作品のモチーフとしていたのではないかと思う。リアリティーは恐怖感にも直結する要素だ。

このコンセプトを用いて数十年以上前にゲームを開発した場合、あまりにも平坦な作風になってしまっていたはず。実写かと見紛うほどの描画クオリティーがあってこそ、本作のコンセプトは大いに映えると思うのだ。

そういった意味で本作の存在は「新しいホラーゲーム」のジャンルカテゴリーに入ると思うし、多分に実験的な要素を持っているものの、一定以上のホラーゲームファン層を獲得できるクオリティーに仕上がっていると言える。

ホラーゲームで主に実況配信を行っている人にとっては「盛り上がりに欠ける作品」と映る可能性があるが、ソロで「心理的な恐怖」を実感したい人にとってはこの上ない体験を与えてくれるタイトルだと断言しておこう。

ジャンプスケア要素を一切排除し、敵キャラクターすら出現しないという思い切った方向性を持つ必見の新作ホラーウォーキングシミュレーター『POOLS (プールズ)』は、現在Steamストアで好評配信中。

フォトリアルな情景に圧迫感を感じながら進んでいくプレイ要素が最高に面白い必見のインディーゲームタイトルだ。興味が湧いた人は今すぐストアへアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしよう。

【おすすめポイント】新たな恐怖を体験！