重厚なファンタジー世界で行われる戦争に勝利せよ
「Bannermen」は、2019/02/22よりSteamでリリースされた、本格的かつ重厚なファンタジーの世界観の中で戦うリアルタイムストラテジーゲームである。
本作ではキャンペーンモードとマルチプレイモードで遊べる。キャンペーンモードでは、力をひたすらに求め続け、蹂躙する暗黒の王Karthorから世界を取り戻すべく立ち上がって、軍を率いていくというストーリーとなっている。マルチプレイモードでは世界中のプレイヤーとオンラインで白熱した対戦を繰り広げることができる。
特に注目したいのは、シビアながらも白熱するゲーム性だ。全てがリアルタイムで動き、魔法によって変化する環境を利用して相手の兵士を竜巻などで薙ぎ倒した時など、思わずガッツポーズを取りたくなるほどの気持ち良さを味わえる。ユニットをどこに派遣するか、そしていつ自然の環境を利用して相手のラッシュを捌いて逆に攻勢に転じるかなど、知恵を尽くしながらの戦略戦をしたいコアなプレイヤーはもちろん、世界観に触れて興味を持ったプレイヤーにもカジュアルに楽しんで欲しいゲームだ。
状況に適した部隊編成が勝利の鍵を握る
本作の魅力は、ユニットから環境までの全てを駆使して戦う事を要求される頭脳戦だろう。ユニットはさまざまなキャラクターがいる。英雄と呼ばれる3人の圧倒的な力を持つユニットからジェスターや射手といったコストは安いが大量生産が可能であり、数で押していけるユニット、そしてバリスタやカタパルトといった特定の状況に対して非常に有効になるユニットなど。これらの性能を出来るだけ把握し、的確に戦場に送り込み、運用することが勝利へと繋がる。
これらのユニットはすぐに生み出せる訳ではなく、相応のコストを払う必要があるし、生産するためには特定の建物を建てなければならない。性能の良いユニットを作るには素早く資材を集めて、特定の建物を用意する必要があるが、それにばかりかまけているとあっというまに敵に進軍されてしまい、一方的に潰されるという事になりかねない。そのバランスを見極めて、迎撃するときは迎撃し、建造に集中するときは集中するといった判断力が要求されるのだ。
うっかり部隊を動かすのを忘れて、または建物の近くに部隊を置いておくの忘れたせいで敵部隊に侵攻され、あっさりと撃破されてしまったり、相手の防衛が整う前に攻める事が出来たはずなのに間に合わなかったりということも起こり得る。
逆に言えば、相手が部隊を進撃させてきたのはいいが、まるで準備が整っていなかったり、1拠点の防衛に躍起になっている隙に別動隊を動かして相手に奇襲を仕掛けることで敵部隊を散々に打ち破ったりすることもできる。まさに、自分が戦場を動かしている指揮官であるような気分を味わえるのだ。また、ユニットの性能を完全に把握したうえで、相手のユニットを完璧に抑えながら戦線を上げたり、逆に相性の悪い部隊を囮にしたうえで、こちらの有利な地形へと誘い込んだりという心理戦を楽しむことが出来るのもこのゲームならではの魅力と言える。
ただ、いきなりユニットの性能を把握するのは難しい。ユニットの種類自体はさほど多いわけではないがそれぞれに個性が強いのも多く、使い道をしっかり理解していないと上手い具合に動かせないものある。特に、英雄と呼ばれるユニットはそれが顕著だ。3人の英雄を産み出すには、玉座を作る必要があり、手間が掛かる。強いユニットだけで押し込もうとすれば、その前に性能は低くとも数で押せるユニットで押し込まれてしまう。その辺りのバランスを考えなくてはいけない。
ユニット同士には相性も存在する。射手はコストも安く遠距離攻撃も出来る優秀なユニットだが、そこそこの耐久力と足の速さをもつフットマンに対しては上手く距離を取ることが出来ず、すぐに近づかれて殲滅されかねない。そのフットマンはより硬く、近接攻撃が強い騎士に対しては火力差によって殲滅されてしまう。だが、射手は騎士の遅さに対して素早く移動し、フットマンのように騎士に接近しなくても一方的に射撃でき、逃げ切れるため騎士には強い。このようにユニットに強弱があり、一瞬の判断ミスで失いかねない。油断できない状況がリアルタイムで進行していくのが、このゲームのシビアさであり、同時に興奮させてくれるポイントである。
そして、もう一つ注目したいのが環境と建造物だ。環境は魔法などで大きく変化していく。いきなり凍っていたはずの湖が割れたせいで進軍ルートが潰されたり、竜巻によって次々と兵士がなぎ倒されたり、崖の上から大岩を落として相手を押しつぶすという事も可能だ。これらの要素は相手に思わぬダメージを与えることもあれば、自分に大きな損害をもたらすこともあるので注意したいところだ。上手くいけば相手のとっておきの部隊を殲滅することもできるが、相手もそれを狙ってくる可能性があり、あえて危険な場所におびき寄せるか、それとも無視するかという駆け引きが起こる。こういった手に汗握る駆け引きも、「Bannermen」の魅力的な部分だ。
地味ながらも重要な要素は建造物だ。ユニットの生産、魔法を使うための「寺院」やヒーローを呼び出すために必要な「玉座」、武器や防具を強化する「鍛冶屋」など、きっとどれから作るべきか迷ってしまうだろうが、戦況に応じてどれから優先して作るべきかを慎重に判断しなければならない。作戦次第で戦況が大きく変わっていき、一気に相手を攻め滅ぼすつもりでも、返り討ちで部隊が殲滅されることもある。このシビアさは最初とっつきにくいかもしれないが、慣れていけば病みつきになってしまう面白さがある!
最初はキャンペーンモードでじっくりとユニットの性能やマップを確かめてからオンラインモードにいくと良いだろう。キャンペーンモードも骨太なストーリーで進んでいく面白さがあり、初心者でも十分に楽しめるものとなっている。
ガチの戦略ゲーをプレイしたいプレイヤーにおすすめ!
本作はぜひとも戦略ゲームに飢えているプレイヤーや重厚なファンタジー世界で遊びたいプレイヤーにおすすめしたい作品だ。環境の変化によってリアルタイムで変化していく戦場に、建造物の優先度からユニットの進撃まですべてが動いていく中で、知恵を絞りつくして戦場を支配する感覚は他のゲームでは味わいにくいものだ。
キャンペーンモードも充実の内容で、マルチプレイはまだちょっと怖いという初心者でもゆっくりとユニットの性能や環境、そして建造物の特徴を学ぶことが出来る。自信がついてきたらマルチプレイに参戦し、他のプレイヤーたちと知恵を尽くす戦いに挑めばいい。ややハードルが高いものもあるが、それを乗り越えるためのサポートはしっかりとついている。元々RTSに慣れているプレイヤーはもちろん、これから初めてやってみようと考えているプレイヤーにもおすすめしたい作品だ!
Bannermenスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 7(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i3-4340 または AMD FX-6300 | Intel Core i7-4770 または AMD Ryzen 5 1600 |
メモリー | 6GB RAM | 8GB RAM |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 660 2GB または AMD Radeon HD 7850 2GB | NVIDIA GeForce GTX 1060 3GB または AMD Radeon RX 580 4GB |
VRAM | 2GB | 4GB |
HDD空き容量 | 20GB | 20GB |
DirectX | Version 11 | Version 11 |
備考 | インターネット接続が必要です |
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