「Cossacks 3」は、「GSC Game World」が開発し、2016/09/21に大手ゲーム配信サイト「steam」で配信を開始した本格RTS作品である。
「Cossacks」シリーズでは過去に大規模なユニット同士のバトルを実現した「Cossacks : Europian Wars(2000年発表)」、そしてナポレオン時代のヨーロッパ戦線を描いた「Cossacks Ⅱ:Napoleonic Wars(2005年発表)」などが発表されており、ここ日本でも多くのRTSファンを楽しませてきた歴史がある。
本作は一応ナンバリングされているが、内容は現在でも高い評価を得ている初代「Cossacks : Europian Wars」のリメイク作品であり、舞台は同じく17世紀から18世紀のヨーロッパとなる。
初代が持っていた雰囲気はそのままに、美麗な3Dグラフィックで再構築された世界は圧巻だ。
「Cossacks 3」では20カ国でプレイが可能で、120種類の戦闘ユニットタイプ、100種類の研究要素、そして220種類の建造物が登場する。
さらには新要素として「海戦」モードを実装しているのがポイントだ。シングルプレイでは5つのキャンペーンがプレイ可能で、マルチプレイモードでは最大8人が同一マップ上で対戦できる。
ランダムで生成されるマップ機能もあるので、楽しみは無限に広がるだろう。
大規模人数同士の壮大なバトルシーンは健在!
一連の「Cossacks」シリーズ最大の特徴は、戦闘ユニットに含まれる人数の多さにある。
歴史上の戦いを再現したRTS作品はこれまで数多く発表されているが、人間同士の戦いはデフォルメされ、常に実際の人数よりも少なく描画されてきた。
これは主にゲームソフトが持つ描画性能の限界に起因するものだったが、その問題に正面から取り組み、大規模な人数同士が交錯する戦いを最初に実現させた作品こそが「Cossacks」シリーズだったのである。
そしてその登場ユニット数の多さは、未だに破られていない。
大規模な戦闘シーンを実現して話題となった「Age of Empires」の表示ユニット数が数百だったのに対し、初代「Cossacks : Europian Wars」は実に8,000ものユニットをマップ上に登場させ、その後発売された「Cossacks Ⅱ:Napoleonic Wars」では何と一気に64,000ユニットにまで増えた。
初代のリメイクとなる本作では、最大32,000ユニットに落ち着いているが、それでも驚異的な数であることに変わりはない。
巨額の制作費を投入した歴史物の実写映画で、何千何万という数の兵士たちが隊列を組んだ陣形が登場することがあるが、「Cossacks 3」はその陣形をゲーム内で完全再現する。
自軍が続々と生産され、そして陣形を保ちながら敵と対峙する瞬間は、ほかのゲームでは決して味わうことができない特別な瞬間だ。
やりこみ要素や見るだけでも楽しめる国ごとの景色も魅力!
「Cossacks : Europian Wars」のリメイク作品である「Cossacks 3」では、初代とほぼ同じ生産システムが実装されている。
基本リソースは「金」「木材」「食料」「石」「鉄」「石炭」で、各種の生産拠点を構築することによって得られる仕組みだ。
本作ではプレイする「国家」によって建築様式や戦闘ユニットに違いがあるが、他国の住人を自国内に引き入れることによって、他国の建築様式やユニットの使用が可能になる。
この要素は「戦争」と「侵略」、そしてそれらが「文化の発展」に及ぼした影響を見事に再現していると言えるだろう。
「Cossacks 3」ではグラフィックが大幅に向上しているが、基本的なゲームシステムについては初代「Cossacks : Europian Wars」とほぼ同じなので、同作をプレイしたことがある人ならすぐにコツをつかめるだろう。
ただし「Cossacks 3」はあくまでリメイク作品なので、目新しく革新的なゲームシステムは実装されていない。
クラシックなゲームを最新のグラフィックで再現した作品、という認識でプレイした方が良いだろう。
3Dでリアルに表現された国の風景にリアルな世界を感じる!
「Cossacks 3」でプレイヤーが目撃するヨーロッパの世界は、まるで精密なミニチュア作品のようだ。
ゲーム自体がRTSという仕様上、自国領土のスケールは適度にデフォルメされているのだが、そこに建設される建造物は細部まで凝った作りになっており、視覚的にも十分楽しめる。
最初は広いだけの自国領土にプレイヤーが命令を出し、資源の生産を司る各種施設の建造が行われると、画面は一気に賑やかになる。
本作は見下ろし型の3Dマップで構成されているのだが、その中を大勢の人間がせわしなく動き回り、次々に施設が建造されていく様子は圧巻だ。
また、建造物には国によって様式と外見に違いがあるので、これらを楽しみながらプレイするのも一興だろう。
一心不乱に木を切り倒す人、脇目も振らずに農地で働く人、各種建造物の建設に従事する人、そして兵舎の前で槍の訓練を行う兵士たちが同時に描かれる様子は見ていて実に楽しい。
本作では「国家」という人間の集合体が端的に再現されているのだ。
「Cossacks 3」の目玉である大規模な戦闘シーンでは、数千単位のの兵士たちが次々にぶつかり合う様子を見ることができる。
戦死した兵士たちはその場に倒れた状態で表示され、その屍の上でも戦いは続いていく。
まさに「死屍累々」という戦争の恐ろしさが伝わる描写だ。
ちなみに軍隊は地形によって影響を受ける。
本作では物理的な計算も取り入れられているので、その点も考慮した方が良い。
敵軍が自国領土内に侵入した場合には、建造物の配置によって陣形が崩れることがあるので、領地に建設を行う場合には、被害を最小限に留め、迎撃し易い配置を考えると良いだろう。
時代によって変わる国家の強さ!
「Cossacks 3」で描かれるのは17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパだが、この100年という時間が国家に与える影響は大きく、その違いが最も顕著に表れてくるのが軍事力だ。
実際の歴史でも戦争に勝つための研究や発明が多く登場し、それを成し遂げた国が成長していったという流れがあるが、そんな側面も「Cossacks 3」は表現してみせる。
17世紀には強力なユニットを持っている国家も、18世紀には他国に簡単に負けてしまうようなことが起こる。
戦争とは発明の歴史でもあるため、発明競争に勝てなかった国家は戦争にも勝てなくなるのだ。
「Cossacks 3」は、こんな人にオススメだ!
RTSの金字塔と言える作品「Cossacks : Europian Wars」を最新技術で蘇らせた「Cossacks 3」は、数千人から数万人単位の大規模な戦争をシミュレーションできるスケールの大きな作品だ。
細かいスケールで表現された人間が槍を持ち、銃を撃ち、馬を乗り回しながら戦う様子を上空からの視点で眺めると、過去に人類が起こしてきた戦争についての認識が改まることだろう。
国家の違いで建築様式が変わってくる点も見事で、毎回違った国家を選んでプレイする時の楽しさがある。
目の前で精巧なミニチュア作品が作られているかのような建設シーンは見ものだ。
ちなみにインターフェースや字幕は「英語」「ドイツ語」「フランス語」「チェコ語」の4種類となっており、「日本語」でのプレイは不可能だが、システムに慣れてしまえばすぐに内容を把握できるはずだ。
「Cossacks 3」は、スケールの大きな戦闘システムを持ったRTSゲームを求めているユーザーにはオススメの作品だ!
コサックス3(Cossacks 3)スペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 7/8/10 (64bit) | Windows 7/8/10 (64bit) |
CPU | Intel Core 2 Duo E8400 | Intel Core i5-3470 |
メモリー | 3 GB RAM | 6 GB RAM |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce 9600 GT, ATI Radeon HD 4830 | NVIDIA GeForce GTX 560, AMD Radeon HD 7900 |
VRAM | 256 MB | 1 GB |
HDD空き容量 | 8 GB | 8 GB |
DirectX | バージョン 9.0c | バージョン 11 |
備考 | インターネット接続が必要 |
コサックス3(Cossacks 3)の評価・レビュー・評判(0件)
このゲームの投稿レビューはまだありません。