『Dystopika (ディストピカ)』は、2024/6/21からPCゲームのポータルサイトSteamで正式配信されている開発:Voids Within Studio Inc、パブリッシングVoids Within Studio Inc/UNIKAT LabelのPCゲームで、自由にサイバーパンク都市を生み出しながら鑑賞できるモデリングシミュレーションゲーム。
誰でも好きなレイアウトで近未来都市を作り出せる利便性抜群のゲームシステム、ネオンや夜景など、サイバーパンク都市の雰囲気を存分に味わえるアセットビルディングや看板の数々、カメラを自在に動かしながらベストな近未来都市を生み出していくワクワクのプレイ要素が大きな特徴となっている必見のSLGタイトル。
SF映画の金字塔『ブレードランナー』シリーズや、それらのフォロワーとして誕生した数々のサイバーパンクムービーなどの映像作品をこよなく愛している人、無秩序に高層ビルが乱立する風景、そして空中にハイテクな車両(ビークル)が移動しているシーンが好きな人、建設系のシミュレーションゲームを求めている人におすすめの作品。
- サイバーパンク都市を作成
- 簡単操作で雰囲気満点
- MOD対応も予定
近未来都市を生み出せるSF系SLG
現在PCゲームのポータルサイト「Steam」ストアで好評配信中の『Dystopika (ディストピカ)』は、SF映画やゲーム作品などで誰もが一度は目にしたことがある「近未来都市」を作り出せるというおすすめの新作PCゲーム。直感的な操作スタイルで自分だけの風景を生み出しながら、その画像を保存して楽しめるシミュレーションゲームだ。
作品はリアルなゲームグラフィックを持っており、3Dモデリングされた様々なビル群や看板などを選択しながらマップ内へと配置し、好みのレイアウトを生み出していく工程を楽しめる様になっている。雨が降り注ぐ夜景の中でネオンが光り輝く景色は雰囲気満点であり、SFの世界観が好きな人であればハマること請け合いだぞ。
サンドボックスゲームというジャンルにも当てはまる本作では、主に景観を生み出すことに焦点が当てられており、一般的な都市建設系のシミュレーションゲームに存在している「人口」「経済」「インフラ」などの要素はオミットされている。これは裏を返すと複雑な相互関係に惑わされることなく「直感的」に遊べることを意味する。
都市建設系のシミュレーションゲーム作品の場合、ある程度まで自由に都市部を建造できる仕組みはあるものの、インフラを整備しながらそこに暮らしていく人々に「導線」を与えることも必須となり、また交通渋滞や施設の位置取りなど、現実世界と同様の配慮を多々行っていくことになるため、参入の敷居はかなり高いことが多い。
その点本作はこれらの要素を度外視してプレイを進めることができるため、これまでにサンドボックスゲーム自体を触ったことがない、という人でも安心して遊べる環境が整っている。芸術的なセンスを発揮しながら様々なビル群を乱立させ、いかにも「サイバーパンク都市だ」というような光景をどんどん生み出していこう。
なお、作品はあくまで近未来都市をミニチュアセットのように組み上げていく要素に特化した作品であり、完成した都市の内部を歩き回ったり、車両で移動したりということはできない。また何らかのゲーム性を持っているわけでもないため、興味を惹かれた人は本作がどんなシミュレーションゲームなのかをきちんと理解しておこう。
記事執筆時点でSteamストアには575件のユーザーレビューが寄せられており、その総評は「圧倒的に好評」と、これ以上ないスタートを切っている。SF映画やSF系ゲームのファンが好んで本作を購入している印象で、難しいことを考えることなく「直感的」に都市建造を続けられる点が高い評価の大きな要因となっているようだ。
ゲームを開発したのは、インディーゲームデベロッパーの「 Voids Within Studio Inc」。スタジオ名を持っているが実態は個人開発者であるMatt Marshall氏のプロジェクトで、作品のパブリッシングはUNIKAT Labelとの共同名義。1人でもゲームを開発できる時代へ突入していることを感じさせてくれる必見のデベロッパーだ。
ちなみに本作は正式バージョン配信以前に「無料のデモ版」として出回っていた経緯もある作品で、作者は丹念なアップグレードと改修を施しながら、正式配信バージョンでもある「1.0」をリリースしている。いきなりSteamで配信が開始されたのではなく、ちゃんと段階を経て開発が進められていった安心感のある新作ゲーム作品だぞ。
このPCゲームがおすすめできる人は、とにかく近未来世界や都市部に関して美的なセンスを感じられる人であり、また少し毛色が異なる都市建設系のシミュレーションゲームを求めている人にもハマる要素があると言える。反対に自然を愛する人には無用の長物となる可能性が高いので、該当する人は今すぐこのページを離れたほうが良い。
ゲームの特徴
「サイバーパンク、そして眠らない街への渇望にインスピレーションを得た小規模な都市建設ゲーム」というのが本作の特徴で、プレイヤーは用意されているアセットを組み合わせながら、自分が理想とする近未来都市の世界を画面上に生み出していくことになる。カジュアルさを持った都市建設系のシミュレーションゲーム作品だ。
ビル群や大型のビルボード(看板)、巨大なホログラムなどを配置することが可能で、風景・交通・明かりなどはあらかじめゲームに設定されている「プロシージャル(自動)生成」と調和させることができるようになっている。この半自動型の生成システムが上手く作用することで「雰囲気溢れる未来都市」を作り上げられる仕組みだ。
作れるのは広大な風景ではなく、カメラ内に収まる範囲の小規模な都市ではあるが、レイアウトを工夫することで巨大なモンスター都市であるかのように「視覚のトリック」を使いながら設置できるため、そこにプレイヤーの腕前が要求されることになる。映画のセットで遠近感を出していくという「あの手法」を思い出していこう。
現在のように3DCG全盛期ではなかった時代のSF映画では、都市部をミニチュアのスケールモデルで再現して撮影を行う事が多く、SF映画の金字塔として歴史に名前を刻んだ『ブレードランナー』でもその手法が用いられている。ステージセットの限りある範囲内でどのように「広大な景色」を生み出したのかを考えてほしい。
撮影スタジオのセットで最も効果的な手法は、後方の建造物をあえて小さいサイズで作ることで、これが遠近感を生み出す「視覚のトリック」になる。また遠景をぼかして撮影することでリアリティーも生まれ、視聴者はビル群が画面の奥まで続いているように認識するという仕組みだ。当時はこういった技術に熟達していた人がいた。
限られた範囲の建造物を実際以上に広範囲に見せる技術は、3DCGの世界でも同じ。広範囲に実際にアセットを置いてしまうとそれだけコンピューター側に描画負担がかかってしまうため、それを上手く最適化する技術の開発もかなり進んでいる。最新の3DCGツール「Unreal Engine 5」などがこれを得意としているのはご存知の通りだ。
今後はこういったツールも積極的に「AI」を取り入れることになっていくことが予想されるので、今以上に精緻な風景描画が生まれていく可能性が高いと感じる。過去から現在までに実現できなかった風景描写の登場は様々なクリエイターの悲願でもあるので、日進月歩な3DCGツールの世界が広がっていくことを願いたい。
やや話が逸れてしまったが、『Dystopika (ディストピカ)』には明確な「ゴール」が存在せず、作品の完成を認めるのはプレイヤー自身。このゲームには「勝ち負け」がなく、勝負するとすれば「自分の創造性」ということになる。自分がこのゲームを用いながら「何を生み出したいのか」をハッキリと認識することが大切だ。
例えばSF映画のファンであれば、前述した『ブレードランナー』の印象的なオープニングシーンを再現してみたくなるかもしれない。公害が進んで常に天候は悪く、また有害なスモッグだらけになっている陰鬱な近未来都市だが、このシーンは多くのファンと映画関係者に対して強烈なインパクトを残したことでも有名だ。
あるいは世界に多大な影響を及ぼした大友克洋先生の『AKIRA』に出てくるような光景を生み出したいと考える人にもおすすめできる作品。ただし作品内部にアセットとして出てくる建造物が海外風のデザインになっているので、あの作風をそっくりそのまま再現することは現状無理だが、将来的な可能性は残されていると言える。
「将来的な可能性は残されている」と言える根拠は、本作が掲げているロードマップ。作者は年内に本作がMOD対応になることをロードマップ内で明言しているので、もしこの中に自分が作成したモデルやテクスチャーをインポートできる仕組みが入っているのであれば、既存のアセット以外で都市部を建造することもできるだろう。
ただ繰り返しになるが、本作はあくまで風景を生み出すツール的なシミュレーションゲーム作品であり、そこに物語性やアクション要素などは一切存在しない。情景を生み出しながらそこに何らかのストーリー性を見出すことはできるかもしれないが、単純に美しいサイバーパンク世界を作るためのPC向けツールだということを理解しよう。
そういった意味で本作が向いているプレイヤーは、じっくりとサンドボックスゲーム要素に浸りながら何かを生み出していくことが得意な人、もしくは強烈にSF世界を愛している人、ということになる。また自分でゲームを作る際、背景マップなどをどのように組み立てていけばよいか、という「予行演習」としても使えるかもしれない。
背景ジェネレーターである本作を「ゲーム」というカテゴリーで紹介することはいささか間違っている気もするが、現在はゲームにも多彩なサブジャンルが存在し、既存のカテゴリーを逸脱する作品群も多い。世の中には色々なインディーゲームが存在し、それを楽しんでいる人も多いのだ、とお分かりいただければ本望だ。
ロードマップ
すでに正式配信バージョンとしてリリースされている『Dystopika (ディストピカ)』だが、本作はSteamストア上に詳細な「ロードマップ」を掲出している。現時点で明らかになっているのは2024年12月までのロードマップで、その先は非公開状態になっているが、開発者はまだまだ本作品を手入れしながら成長させるつもりだ。
最初のアップデートはゲームバージョン「1.1」で、その内容は新たなプロップ(構造物などのオブジェクトを指す言葉)の実装と、さらなる多言語化への対応、そしてバグフィックスとユーザビリティのフィーチャーとなっている。システムの改善及びゲームの拡張が行われていく見通しで、今から非常に楽しみなアップデートと言えるだろう。
9月と10月にかけて予定されているバージョン「1.2」では、主にフォトモードに関する拡張が行われていく予定。このアップデートには新規カメラモードの実装やそれに付随する操作体系の追加、そして都市プリセットの追加が予告されている。スクリーンショットの数々をコレクションしている人にとっては非常に嬉しい内容だ。
11月と12月に予定されているバージョン「1.3」は、地区エリアに関するアップデートになっている。このバージョンで追加されるのは新たな地区及び巨大な構造物で、近未来都市の見た目も派手になる見通しだ。さらにこのバージョンは「MOD」のフィーチャーを「1.0」としていく予定で、こちらも非常に楽しみなコンテンツと言える。
大方の人はご存知の通り、「MOD」とはユーザーがゲームシステムやアセットなどを改変する行為全般を指す用語で、日本語では「改造」のニュアンスで用いられる。ゲームにMODを許可しているスタジオや企業はかなり多く、その代表格とも言えるのが『スカイリム』や『Fallout』でおなじみの「ベセスダ・ソフトワークス」だろう。
MODを許可することの利点は、開発者が思ってもいなかったコンテンツやテクスチャー、システムなどを有志のユーザーが作り上げて公開することで、そこからゲームが爆発的な人気を得ていく可能性もある。10年以上も親しまれている『スカイリム』は、MODをPCでプレイしたいユーザーに支えられていると言っても過言ではない。
本作が幅広い用途のMODを許可した場合、それらがどのようなものになっていくかは現時点では未知数だが、想像する限りはネオンサインや看板にバリエーションを持たせるものや、色調などを調整する、もしくはグラフィックボードが対応する描画プログラムでリアリティー満点の画像を生み出すなどの活用法になるかもしれない。
あるいはさらに踏み出して、アセットをマップ内へ配置できるという基本システムは残したまま、近未来やサイバーパンクとは真逆の風景を生み出せるMODを作る人が出てくる可能性もある。MODは「自己責任」で導入することが大前提の改変プログラムだが、ゲーム本来の世界観を逸脱したものまで作り出せる点で魅力がある存在だ。
作者のMatt Marshall氏は公式Discordサーバー上で本作のファンコミュニティーを生み出そうと模索しているので、とんでもないMODのアイデアを持っている人は、バージョン1.3までアップデートしたら実際に行動を起こし、その成果を作者やコミュニティーメンバーへ披露していくのも面白い体験になっていくだろう。
正式バージョンである「1.0」の段階でアップデートを終了しても良さそうなものだが、本作の作者は自分の作品に対して責任感と熱意を持っており、さらなる作品の発展と向上に余念がない。アツい開発魂を持っているインディーゲームデベロッパーはゲーム業界の財産であり、こうした人に成功して欲しいと心から願う次第だ。
日本語インターフェース実装
Steamでの販売価格は800円で、現在はリリース記念セール価格となる10%OFFの720円で販売中(2024/7/6までの期間限定価格)。1,000円以下のリーズナブルな価格帯で購入できる安価なインディーゲームタイトルとなっているが、少しでも安く購入してお得にプレイしたいと考えている人は、今のうちに製品を購入すると良いだろう。
ゲームは標準で日本語インターフェースを実装しており、参入の敷居は低い。海外のゲーム作品をプレイすることが苦手な人でも安心してダウンロードできる新作PCゲームに仕上がっているので、フレンドユーザーへのプレゼントとしても最適なタイトルと言える。ちなみにゲームは現時点で7種類の言語をサポートしているぞ。
Valveの携帯ゲーム機「Steam Deck」との互換性についてはストアページに記述が存在しない。これは日々大量にアップロードされている新作ゲームの審査が間に合っていないか、本作の作者がPCモニターでのプレイを想定している可能性が考えられるが、美しい近未来都市は大型のモニターで映えるので、そのように考えておこう。
親切なデベロッパーの場合、自分たちの環境下でSteam Deckとの互換性をテストし、その状況をストアに記載していることもあるが、本作は個人で開発が進められた作品であり、また前述のように作者が小型モニターでの動作を想定していない可能性もあるため、Steam Deckでのプレイは「おまけ」程度に考えておくと無難だろう。
解除できるSteam実績は合計で15種類。一見すると少なく見えるかもしれないが、これだけ安価な価格帯の作品でしっかりと実績まで搭載していることが偉い。Steamにアップロードされている他タイトルの中には、1つも実績を搭載していない作品も存在しているので、かなりユーザー想いのインディーゲーム作品と言える。
作品はソロプレイ専用のタイトルとなり、ローカルまたはオンラインでのマルチプレイモードには非対応。作風が1人でじっくりと都市を作り込んでいくものになるため、マルチプレイモードはそもそも不要と考えられる。自慢の風景をシェアしてみたいと考えている人は、公式DiscordサーバーやSteamコミュニティーハブを利用しよう。
ゲームは現時点で汎用コントローラーでの操作を公式にサポートしておらず、また将来のアップデートにも予定が存在しない。激しい操作を要求されるアクションゲーム作品とは異なり、カーソルをインターフェースに合わせながら操作を行っていくタイプのタイトルなので、プレイを進める上でこの点はあまり問題にはならないだろう。
要求スペック
『Dystopika (ディストピカ)』の要求スペックは中程度からやや低めのポジションとなっている。Steamストアのシステム要件欄に記載されている推奨要件のグラフィックボードは、NvidiaのGTX 760クラスもしくはAMDのRadeon R9 270クラスのパーツとなっており、PCゲーマーの参入の敷居はかなり低めと言える。
最低動作環境で提示されているグラフィックボードも同じで、この部分に関しては作者が上記以上のパーツ構成を試すことが出来ない可能性も考えられるが、世代が古いグラフィックボードパーツでも動くということは、それだけ参入できるユーザーを増やすことにも繋がっていくと言えるので、この敷居の低さは高評価ポイントだ。
CPUの推奨モデルはIntel のi5シリーズもしくはAMDの同等性能品となっているが、この部分には具体的な世代やモデル名が存在していないため、ある程度プレイヤーが推し量って準備する必要があるかもしれない。ハッキリしているのはi3クラスなどでは「役不足」になる可能性があるということで、該当する人は注意が必要だ。
インストールサイズは1GBと、スマホアプリ並みの軽さ。これはゲームの構造が上手く作用している格好で、インストール直後のゲームには実存データが存在せず、プレイヤーがツールを駆使しながらゲーム世界の近未来都市を作っていくことに関係している。無論様々な都市を作っていけば、これ以上のデータ領域が必要になるぞ。
総じてPCへの負担が非常に軽くなっているゲーム作品であり、ローエンドなゲーミングPCを持っている人でも安心してインストールできる点が素晴らしい。Steamで様々なゲーム作品を購入してストレージが逼迫している人でも気軽に導入できるタイトルで、値段の安さも相まってインディーゲームらしい存在になっていると言えるだろう。
自由にサイバーパンク都市を生み出しながら鑑賞できるモデリングシミュレーションゲーム『Dystopika (ディストピカ)』は、現在Steamストアで正式配信中。すでに日本人プレイヤーも数多く遊んでいるタイトルであり、簡単な操作方法で様々なバリエーションの近未来都市を生み出せる点で高評価を獲得しているPCゲーム作品だ。
これまでに数々のSF映画を見てその作風と世界観に魅了された人であるほどハマる魅力を持つゲームで、自分が生み出した風景をフォトモードで保存できる点も高評価ポイントになっている。チルなバックグラウンドミュージックも最高だ。興味が湧いた人は今すぐSteamストアへアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしよう。
【おすすめポイント】サイバーパンク都市を作ろう!
総評:生み出す系ゲームへの期待
ゲームは基本的に「与えられた世界観」の中で活動していくもので、その流れは時代を経ても普遍となっている。だがその一方でプレイヤーが自分の世界を生み出すための「ツール」としてのゲームも登場しており、それらにも異なる魅力が確かに存在する。ジャンルが多様化していったゆえの副産物なのだろうが、この流れは興味深い。
日本で有名なのは1990年に登場した「RPGツクール」シリーズで、これはアセットやコマンド、音楽をプレイヤーが組み合わせることで「オリジナルのロールプレイングゲーム」を作れる作品だった。プログラミングは言わばゲームの裏方作業だったのだが、それを一般向けとして公開して反響を得たという点で意義深いシリーズだ。
エンターテインメント作品は「完成品」を提供され、その対価をユーザーが支払うことによって成立する世界だが、道具をプレイヤーが購入し、それによって自らオリジナルの作品を作っていくという流れが面白く、既存の完成品に満足できない人や、自分自身の創造性を発揮できる「何か」を求める人には非常に有益な手段と言える。
こうした流れは世界中に巻き起こっていき、現在ではゲーム企業がユーザーに既存ゲームを改変するツールを提供する事例まで存在する。最も有名なのはベセスダ・ソフトワークスが提供する「Creation Kit」で、これはゲーム内を改造できるようになっているプログラム。現在も多くのプレイヤーがこのキットを利用している。
何がプレイヤーを惹き付けるのか
製品として展開している「生み出す系ゲーム」には、そのレベルによって様々な違いが存在するが、用意されたアセットと命令セットなどを組み合わせていくタイプのゲームは、レゴ・ブロックで遊んでいる感覚に近いかもしれない。基本は自分の中にある「世界観」を「形」として表現していくという思考回路の発現なのだろう。
普段から何かを想像することが好きな人にとって、生み出す系のゲーム作品は「格好の遊び場」であり、それはサバイバルゲームなどに組み込まれている「クラフトシステム」でも同じ。サンドボックス要素をフィーチャーした『マインクラフト』が世界的なヒットを記録した裏側にも、「何かを作りたい」という人間の衝動が窺える。
結局のところこれらの生み出す系ゲームがユーザーを魅了しているのは「無限大の表現性」であり、触る人間によって全く異なる世界観などが生まれていくことが最大の魅力になっていると言えるかもしれない。無論全てのユーザーが「ものづくり」が好きな訳では無いが、その総数が少なくないことはマインクラフトが物語っている。
100%の自由ではなく、予め使える物(アセットなど)が制限されていることも「生み出す系ゲーム」の魅力かもしれない。プレイヤーは白紙の状態で「さあ、何でも作って下さい」と言われているのではなく、「これらを用意したので貴方が好きなように組み立ててください」と言われているので、作品へ入り込みやすいのだ。
またここに「他者の目」があることも創造性を刺激する大きな要素になっていると言える。おなじクラフト要素を用いた他人の作品が素晴らしい場合、その細部を観察しながら驚嘆し、真似できるところは真似てみようと思うのが人間の自然な思考回路であり、それまでに自分が抱いていた創造物をさらに進化させることに情熱も湧いてくる。
そうして完成した「自分の作品」は、何かしらの手段で他者の目に触れるようにしたいはず。ゲームの世界では自分の完成品をアップロードするユーザーも多く、またそれをデータとしてダウンロードできる仕組みを持ったゲームタイトルも存在する。他者の存在が創造性を刺激し、良い意味で切磋琢磨しながら創造を楽しめるのだ。
話を本作『Dystopika (ディストピカ)』へ戻すと、この作品は風景を生み出していくゲームであり、作成する風景の内容は全てプレイヤーの裁量に負うところが多い。そしてプレイヤー同士で出来上がった作品をシェアできる仕組みもあり、実際「素晴らしい作品」を生み出すために日々世界中のプレイヤーがエディットに熱中している状況だ。
このタイトルは上記で説明してきた「生み出す系ゲーム」の特徴と魅力を全て内包しており、さらにMOD対応を表明することでさらなる化学変化も起こり得ることが予見されている。発売直後だけではなく、アップロードを適用後の「進化した姿」にも大きな期待を寄せることができる必見のインディーゲーム作品と言えるだろう。
自由にサイバーパンク都市を生み出しながら鑑賞できるモデリングシミュレーションゲーム『Dystopika (ディストピカ)』は、現在Steamストアで正式配信中。入り込みやすいシステムを持つ作品に仕上がっているので、未体験の人はぜひ本作をダウンロードしてその面白さ満点のシステムに触れながら自分の作品を生み出してほしい。
【おすすめポイント】創造性を解き放とう!
Dystopikaスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-4460 | Intel Core i7-8700K |
メモリー | 8GB RAM | 16GB RAM |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 960 | NVIDIA GeForce GTX 1070 |
VRAM | 2GB | 8GB |
HDD空き容量 | 50GBの空き容量 | 50GBの空き容量 |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 12 |
備考 | インターネット接続が必要SSD推奨、インターネット接続が必要 |
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