『The Wagadu Chronicles (ワガドゥ年代記)』は、2023/12/4からSteamで早期アクセス版が配信されているTwin DrumsのPC向けMMORPG。
アフリカ神話を具現化した世界観、プレイヤー同士の交流と経済要素が特徴で、アフリカ民族や部族のルーツを描くMMORPGで遊んでみたい人におすすめ。
- アフリカ神話をフィーチャー
- プレイヤー主導の経済システム
- 黒人文化がテーマ
アフリカ神話に生きるMMORPG
現在Steamで早期アクセス版が配信されている『The Wagadu Chronicles (ワガドゥ年代記)』にインスピレーションを得たMMORPG。
登場するキャラクターはマサイ族やヨルバ族にインスパイアされており、自然を尊重しながら生き抜く部族の理念などにもその影響が窺える。
MMORPGの題材や世界観で最も多く用いられているのは西洋・東洋の文明だが、本作はありそうで無かった世界観と設定を持っている。
精霊や神の存在を感じながら暮らしていくアフリカ神話の世界感を具現化する必見のタイトルで、民俗学や歴史などに興味がある人にもおすすめだ。
出発点はテーブルトップゲーム
ゲームを開発しているのは、インディーゲームデベロッパーのTwin Drums。作品の出発点はテーブルトップゲームで、その設定が活かされている。
ベルリンに拠点を構えるTwin Drumsの中心人物アラン・クディシオ氏はガーナの血を引くハーフであり、アフリカの伝統をゲーム化することを発案。
その後彼は様々なコンセプトアートやゲームデザイン、プロットなどを構築していき、ついにキックスターターで20万ドル近い支援も獲得する。
さらに本作は世界的なMOBAとして知られる『リーグ・オブ・レジェンド』の開発元ライアットゲームズの協力も勝ち取り、さらに資金を確保。
ゲーム開発チームの中核を担っているスタッフは9割が黒人女性となっており、アフリカのルーツを取り入れた画期的なMMORPG制作に邁進している。
ゲームの世界観
『The Wagadu Chronicles (ワガドゥ年代記)』で描かれるのは、神秘的な煉獄の領域。プレイヤーは突如墜落した土地で生き抜いていくことになる。
主人公(プレイヤー)は記憶が欠如した状態でオープンワールドを探索しつつ、徐々に架空世界の伝承について学ぶことで記憶を取り戻していく。
ゲームタイトルにもなっているファンタジー世界「ワガドゥ」には、アフリカのサバンナ、砂漠、湿地、熱帯雨林をベースにしたバイオームが含まれる。
印象的なデザインを持つグラフィックで再現された自然豊かな世界を探訪しながら、スキルを伸ばして主人公キャラクターを成長させていこう。
ゲームシステム
プレイヤーは自分が操作する主人公の外見を自由に設定することが可能。アフリカ文化をフィーチャーした作品のため、白人やアジア人は登場しない。
NPCからクエストを受諾するなどの流れには一般的なMMORPGとの共通項があるため、このジャンルをよくプレイする人であれば違和感なく遊べるはず。
キャラクタースキルをセットしながら自分好みのカスタマイズとビルドを楽しめる点が特徴で、農民兼戦士や漁師兼ミュージシャンなどにもなれる。
同じゲームで遊んでいるプレイヤー同士でギルドを結成し、守護精霊を育成することで島の縄張りを主張可能。MMOらしい協力プレイ要素が魅力だ。
バトルはヘックス状のフィールドで展開。TRPGを原点とする作品らしいターン制の戦闘システムが魅力で、戦略性も大いに発揮できる。
移動フェーズとアクションフェーズの2種類で構成されるバトルシステムは、リアルタイムバトルに慣れているユーザーにとって新鮮に映るはずだ。
仲間プレイヤーとパーティーを編成してPvEコンテンツに挑戦できるため、ギルドメンバーたちと結束しながら戦う要素も満喫できるぞ。
ゲーム内の経済は完全にプレイヤー主導。地元の市場に参加して自分の商品を販売できるシステムを持ち、ユーザー同士の交流も捗る。
村が多数存在している本作では、より多くの村を獲得して自分たちの領土を主張していくプレイ要素も展開。SLG的な側面もある作品だ。
クラフトや建造要素も充実しており、収穫や製作、建造物や装備品のメンテナンスなど、ありとあらゆるサンドボックス要素に取り組める。
日本語UIは未実装
Steamでの販売価格は2,796円で、インターフェースは英語とドイツ語の2種類のみ。プレイを円滑に進めるためには、どちらかの言語が読める必要がある。
なお、開発元のTwin Drumsは本作の世界観をフィーチャーしたテーブルトップゲームブックの販売を2024年夏に予定している。
800ページと200以上のアートを収録した大作で、ダウンロード可能なPDFファイルも含まれる予定。詳細は公式サイトでチェックしよう。
正式バージョンへの展望
約1年後に配信を予定している正式版では、ナビゲーション・システムや牧畜のスキルなど、多くの新規機能が追加される予定。
スタジオはさらに広大なマップの実装にも取り組んでいるそうなので、完成バージョンへはより広いアフリカの世界を探検できそうだ。
要求スペック
PCへの要求スペックは低め。推奨要件で提示されているグラフィックボードはGTX 950もしくはR9 280クラスのパーツとなっている。
インストールサイズも約2GB程度と軽めで、ストレージを圧迫しない。今後の開発進捗でこれらの要件は変わる可能性があるが、それでも軽い作品だ。
アフリカ文化を大々的にフィーチャーした必見の新作MMORPG『The Wagadu Chronicles (ワガドゥ年代記)』は、現在早期アクセス版として配信中。
かつて存在していなかったテーマを据えた注目のPCゲームだ。興味が湧いた人は今すぐストアにアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしよう。
【おすすめポイント】アフリカを冒険!
白人一極化への警鐘
アラン・クディシオ氏は奴隷制度によって封印された言語や宗教への郷愁も作品へ盛り込んでおり、RPGに白人文化が根付いている点にも警鐘を鳴らす。
確かに「白馬の騎士」といえば白人というイメージが根強くあり、その他の種族に関してもベースは西洋人になっていることが多い。
自らも幼い頃からRPGを好んで遊んできたアラン・クディシオ氏は、それらのゲームに登場する人物たちが白人ばかりという現実に直面している。
その上で氏は、長い歴史の中で徐々に認識が変えられたアフリカ人の出自や世界観を見直し、本来のアフリカにあったスピリットをゲームへ持ち込んでいる。
エンターテインメント業界が白人一色に染まっていく傾向が強い今日、ついにMMORPGというジャンルにも改革の波が押し寄せようとしている。
本作が正式配信された後、世界的にどれだけのインパクトを与えるかは未知数と言えるが、多くの人が知らずに享受してきた価値観の見直しには繋がるだろう。
世界には様々な人種が存在しているが、彼らが等しく主役になっているわけではない。膨大な年月を経て形成されたこの現状を打ち破るのが本作だ。
「どんな人種が主人公でも良いじゃないか」と世界の人々が「本当に思える」日が来るのはまだまだ先になりそうだが、本作はその一助になれるはず。
勇気を持って自分の偽らざる思いをゲームを通じて発信しているアラン・クディシオ氏の行動には最大限の賛辞を送りたい。
アフリカ文化をフィーチャーしたおすすめの新作MMORPG『The Wagadu Chronicles (ワガドゥ年代記)』は、現在早期アクセス版として配信中。
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The Wagadu Chroniclesスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-6600K | Intel Core i7-9700K |
メモリー | 8GB | 16GB |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 970 | NVIDIA GeForce RTX 2060 |
VRAM | 4GB | 6GB |
HDD空き容量 | 50GB | 50GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 12 |
備考 |
(C) Twin Drums.
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