『Grace Online』は、2023/3/3からSteamで早期アクセス版が配信されているOverlight Studioの購入型PCゲームで、ファンタジー世界を舞台に、自分で道を切り拓きながら冒険していくMMORPGタイトル。
古典的なファンタジーRPG世界を探索できるゲームシステム、スキルベースの成長要素とハクスラアクションバトル、動的なアイテム配置とクラフトによるアイテム制作要素、同じゲームで遊ぶプレイヤー同士の交流が大きな魅力で、レイドバックしたプレイ画面でファンタジーMMORPGをプレイしたい人におすすめの新作。
レイドバックした新作MMORPG
現在PCゲームのポータルサイト「Steam」で早期アクセス版が配信中の『Grace Online』は、数十年前のゲーム作品を想起させるグラフィックでファンタジー世界の冒険を体験できるおすすめの新作。多人数のプレイヤーが同じサーバー上に接続し、自由な探索と成長を楽しめる必見のMMORPGタイトルだ。
ゲームの舞台となるのは、かつて平和だったファンタジー世界。「闇の女神」の存在によって大地は穢れ、女神が放つ邪悪なモンスターたちが地上を徘徊している。プレイヤーは志の高い冒険者としてゲーム世界へと降り立ち、平和を脅かすモンスターと戦いながら成長を遂げていくことになる。王道の世界観が展開するぞ。
▲レトロゲームを想起させるシンプルな3Dグラフィックが特徴。最新ゲームとしてはかなり異色だ。
ゲームを開発しているのは、これがデビュー作となるインディーゲームデベロッパーのOverlight Studioで、現在は最長で約2年後に予定されている正式バージョンの配信を目指して鋭意開発を継続中。プレイヤーからのフィードバックに関しては公式Discordサーバーで受け付けているので、忌憚のない意見を送ろう。
本作が目指しているのは「没入感の高いプレイ体験」と「プレイヤーの自立」で、作者は近年世界中に溢れているオート形式のMMORPG作品との差別化を図っている。予め敷かれたレールの上を沿っていくようなプレイスタイルではなく、自分自身が能動的に世界を探索しながら、新たな発見を行うことが作品の主眼だ。
▲作者の考えを反映しているようなシンプルなグラフィックが魅力。過剰な演出も登場しない。
また作者は過剰な演出とカットシーンを嫌っており、ゲームにはこのような演出が一切登場しない。かなりストイックな部類に入る作品だが、作者と同じ考えを持っている通なMMORPGファンにはハマるはず。ゲームシステムの本質で勝負するという「強い意志」が感じられる新作ゲームで、確固としたオリジナリティーもある。
標準で日本語インターフェースをサポート
Steamでの販売価格は2300円で、この価格は正式バージョンで値上がりする予定。現時点でゲームはコアシステムを実装し、一通りのプレイができるようだが、開発初期段階にあるため、不具合やバグに遭遇する可能性も否定できない。早期アクセス版の作品を購入して、デベロッパーを応援したい人にはおすすめの新作だ。
なお、作品は標準で日本語インターフェースをサポートしており、参入の敷居は低い。また詳細については後述するが、PC環境への要求スペックも比較的軽めになっているため、幅広いPCパーツ構成に対応する。インストールサイズも10GB以下に収まっているので、普段ストレージが逼迫している人でも安心だ。
▲グラフィックがシンプルな分、PCへの要求スペックは抑えられている。多くの人が遊べるぞ。
解除できるSteam実績はゼロで、汎用コントローラーの操作もサポート外となっているため、実績ハンターおよびコントローラー派の人には厳しい作品と言えるが、オールドゲーマーに「懐かしさ」を思い起こさせるデザインには一見の価値がある。オートムーブが主流になりつつある現代のMMORPGに一石を投じる新作だ。
あまりにシンプルに徹しているため、ゲームに関する基本的なガイドも存在しない点はややマイナスポイント。作者は恐らく本作の対象ユーザーを「MMORPGの基礎が分かっている人」に絞っているのだろうが、新規ユーザーは若干入りにくい印象を受ける。購入型のゲームなので、ある程度説明があっても良いはずだ。
ファンタジー世界を舞台に自分で道を切り拓きながら冒険していくMMORPG『Grace Online』は、現在「早期アクセス版」としてSteamで好評配信中。ストイックな作風にピンと来る人にはおすすめの新作タイトルだ。興味が湧いた人は今すぐストアにアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしよう。
【おすすめポイント】シンプルに徹したMMORPG!
ゲームシステム
『Grace Online』のプレイ画面には、アイコン化されたシンプルなインターフェースが表示される。画面右上ではミニマップ、画面下部では装備品とアイテム、画面左下ではテキストのチャットを確認することが可能で、プレイ視点はサードパーソンビュー形式。自キャラを遠くのカメラ視点で見る点が大きな特徴だ。
キャラクター向けに用意されているクラスは「戦士」「魔法使い」「聖騎士」「アーチャー」など。同じ世界を冒険しているユーザー同士でパーティーを組んで敵と戦うことも大いに捗るはずで、スキルベースのレベリングシステムを採用していることによって、自由なキャラクタービルドも可能となっている。
▲インターフェースも作品と同様にシンプルな仕上がり。無用な表示は極力抑えられている。
近年世界中に出回っているMMORPG作品は主に「クエスト主導型」のシステムを採用しており、プレイ開始序盤からストーリー構成に則ってワールドを探索することが多い。さらに最近ではクエスト受注から実行までが「オートシステム」に組み込まれ、ワンクリックだけで主人公が勝手に行動していく作品も珍しくない。
本作の場合には前項でご紹介した通り「プレイヤーの自立」を目指しているため、いつ、どのタイミングでクエストに挑戦するかはプレイヤーの自由。また決められた道筋も存在せず、すべてはプレイヤーの裁量に任されている。自由度が高いという点では、ファンタジーRPGの金字塔『スカイリム』に近いと言えるだろう。
試行錯誤しながら成長することが楽しい新作MMORPG
さらにアイテムは動的にマップ内へ配置されていくシステムを持っているため、同じ場所にアイテムが転がっているということがなく、このシステムが探索の面白さを助長していく。自分の足で世界を歩き回りながら冒険と探索、そしてバトルを続け、様々な発見を目指せる点が作品の醍醐味で、そこに面白さも生まれるぞ。
ただしこのシステムは初見プレイヤーにはやや厳しい仕様で、ゲームシステムに精通していない場合には五里霧中になる可能性もあり、人によっては成長が遠回りになることもあるはず。そういった「寄り道」要素も受け入れられる人にはうってつけのMMORPGで、試行錯誤しながら成長を遂げるプレイに夢中になれるはずだ。
▲基本的な説明以外には一切システムが誘導してくれない。自分自身で何とか冒険する以外に道はない。
マップ内で出会えるNPC商人に不要なアイテムを売却し、それを他プレイヤーが購入できるという経済システムもあるため、新規ユーザーを間接的に手助けすることも可能。また自分では発見できなかった資源を購入し、強力なアイテムをクラフトで生み出すという遊び方もできるため、参加人数が多いほど楽しみも増えるはずだ。
現時点での問題は、MMOと呼べるだけの人数がゲームをプレイしていない点にあり、これには購入型の販売形式が大きく影響している可能性が高い。無名のデベロッパーが開発している未完成のインディーゲームに対して、決して安くない金額を投資する人がどれだけいるか、という点が問題になっていくだろう。
【おすすめポイント】自分の考えで遊べる新作ゲーム!
システム要件
『Grace Online』のシステム要件は中程度。ストア上には具体的なグラフィックボードの名称が存在していないが、最程度差環境では4GBのVRAMを、推奨環境では6GBのVRAMを実装したモデルが必要と明記されているので、現行のローエンドからミドルスペック帯のゲーミングPCを持っていれば安全圏と言える。
CPUの推奨モデルは、SSE2命令セットをサポートし、かつ3.2GHzの出力で動作するプロセッサーとなっており、参入の敷居は低い。メインメモリの推奨搭載量も8GBと低く、これをクリアできる人は多いはずだ。なお、OSはWindows 7からサポートされているため、古いOSのままでいる人も安心して遊べるぞ。
▲要求スペックは中程度。高解像度のディスプレイでプレイする際はグラフィックボード性能に注意。
インストールサイズは4GBから8GB程度で、容量は少なめ。ただし現時点ではマップが一部しか完成していないそうなので、フルバージョンになった場合にはこれ以上の容量が必要になる可能性もある。長くプレイを楽しみたい場合には、予めストレージ容量を余分に確保しておくと安心だ。総じて軽さが光る新作ゲームだぞ。
【おすすめポイント】軽さも嬉しいMMORPG!
正式版への展望
最長で2年後の正式バージョン配信を目指している『Grace Online』は、完成版でさらにコンテンツ量を増加する見通し。キャラクターやアイテムの、そして強敵ボスキャラクターなども追加され、刺激的な冒険世界の創出を目指すとしている。現状ではシンプルなゲームグラフィックについても、改善が行われるそうだ。
試験運用的な状態でリリースされた作品とも言える本作の課題は、今後のアップデートでどれだけプレイヤー数を確保できるかだろう。現状でも一部のコアなファンを獲得しているが、MMOと呼べるレベルまでプレイヤーを確保できるかは喫緊の課題で、長期的な運営ができるのか、という点にも疑問符が残る。
▲MMORPGは短命であってはならない。そういった意味で本作には厳しい試練が待っているはずだ。
大手のゲームメーカーでもプレイ人口の確保には苦戦している面があり、ゲーム業界の動向は読みにくい。中には潮流に乗って大きな人気を獲得できる作品もあるが、そういった成功事例はかなり稀。今後はゲームが世界中のプレイヤーに浸透するように積極的なプロモーションを展開していく必要があるだろう。
ファンタジー世界を舞台に自分で道を切り拓きながら冒険していくMMORPG『Grace Online』は、現在「早期アクセス版」としてSteamで好評配信中。今後の人気獲得が非常に楽しみなおすすめの新作タイトルだ。興味が湧いた人は今すぐストアにアクセスして、詳細なゲーム情報をチェックしよう。
【おすすめポイント】これからに期待の新作ゲーム!
Grace Onlineスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-7500 / AMD Ryzen 3 1200 | Intel Core i7-9700K / AMD Ryzen 5 3600 |
メモリー | 8GB | 16GB |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 1050 / AMD Radeon RX 560 | NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti / AMD Radeon RX 5700 |
VRAM | 2GB | 6GB |
HDD空き容量 | 50GB | 50GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 12 |
備考 | インターネット接続必須SSD推奨 |
(C) Overlight Studio.
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