2020/12/16からSTEAMで早期アクセス版が配信されているw2lf氏が開発中の購入型PCゲーム。オープンワールドの世界を舞台にクラフトとアクション要素を楽しめるサバイバルゲーム。
オブジェクトにインタラクトしてクラフトを進めていくシステム、マップ内に置かれている乗用車に乗ってマップを移動できるシステムを搭載した実験的なサバイバルゲーム作品で、作品の今後のために積極的なフィードバックと意見を送って個人のデベロッパーを助けたいと考えている人におすすめ。
オープンワールドでサバイバル!
現在PCゲームのポータルサイト「STEAM」で配信中の『The Day They Come』は、オープンワールドで再現された世界を舞台に、プレイヤーがクラフト要素やビークル運転要素にアクセスしながらサバイバルを行なっていく新作PCゲーム作品。個人プログラマーw2lf氏が開発を行なっている新作ゲームだ。
作品は5名のCO-OPを可能としているが、現状では様々なシステムが未完成の状態で、フィールド上に敵なども出現しないため、プレイをスタートさせても断片的な要素にしかアクセスできない。完成状態のゲーム作品をプレイすることに慣れている人は決して手を出してはいけない「早期アクセス版」の作品だ。
ストア内でも注意として「この早期アクセスゲームは不完全であり、これから変わることも、変わらないこともありえます。現時点でこのゲームをプレイしても満足に遊べない場合は、 ゲームの開発が更に進捗するまで待ってみる必要があるかもしれません。」と表記しているので、購入を考える際は一読しておこう。
▲人型のキャラクターを操作してオープンワールド内を自由に移動できる新作PCゲーム作品。
ゲーム世界はリアルなグラフィックで描画されていて美しいが、現段階では多くの要素が未実装で、まさに「開発途上」のデモ版をプレイしている感覚になる。サーバーにも問題を抱えているので、他プレイヤーとの協力プレイ要素は皆無と考えた方が良いだろう。成熟させるための時間が必要な新作PCゲーム作品だ。
STEAMでの販売価格は620円。今後の開発進捗次第で値段が上昇する旨がアナウンスされているので、価格が比較的低めな今購入するという手もある。ただし現時点ではプレイアブルな状態になっていないため、ゲームらしい操作を楽しむためには多くの時間が必要になるかもしれない。評価が難しい作品と言えるだろう。
インターフェースは英語一択で、日本語インターフェースと字幕・音声は非搭載。オープンワールドを歩き回り、時に車に乗り込みながら景色を楽しむ程度のプレイはできるため、それでも良しと思える人であれば一定時間は楽しめるはず。開発の初期段階でリリースしてしまった作品だが、今後の展開が楽しみだ。
作者のw2lf氏は「サバイバルゲーム」として本作をリリースしているが、現状では飢えや渇きを癒すシステムも無く、単純にサンドボックス的な側面を持ったゲームとして機能するのみ。ゲームを購入する場合には現状がどうなっているのかを説明しているストアの説明文を注視し、納得した上で購入すると良いだろう。
【おすすめポイント】 新たなサバイバルゲームが新登場!
壮大な実験場として考えるならアリ!
現段階で本作には「ゲーム」としてのポテンシャルが存在しない。敵が出現しない課題はクリアされておらず、PvP要素もないため、何も出現しないマップ内で車を乗り回してマップの端まで移動するなどの行動しか取れず、プレイするとすぐにやる事が無くなっていくだろう。では本作を楽しむためにはどうすれば良いのか。
一般的に「早期アクセス版」の段階にある作品は、プレイヤーからの意見とフィードバックを募ってゲームシステムを煮詰めていく目的を持っていることが多い。現状実装されているシステムに関するヒアリング的な意味合いもあり、真摯に意見を送ったユーザーのおかげで、製品版がより良くなった例も無数に存在する。
だが本作の場合、作り手であるw2lf氏自身がゲームの方向性を定めておらず、現時点では「クラフトコンテンツの拡充とエイリアンやNPCの実装、より広大なオープンワールドを目指したい」というステートメントしか表明されていない。オープンワールド型サバイバルゲームという軸はあるが、それ以外は流動的だ。
▲一応クラフトらしいことはできるが、まだ完成形とは程遠い状態。ここからどう進化を遂げられるか。
こういった基礎以外の部分が未確定な作品の場合、ユーザーたちが大胆な意見を発信することによって「化ける」可能性がある。サバイバルゲームが大量発生しているPCゲーム界の中で生き延びていくためには「どんな要素」が必要なのか、具体的なアイデアを発信していけば、ゲームが大きく変わるかもしれない。
本作も他の早期アクセス版ゲーム作品と同様、「ユーザーの助けが必要」というスタンスを取っており、意見をSTEAM内のフォーラムに挙げて欲しい旨も記載されている。現状ではほぼ何もすることがないゲーム作品を購入した少数派のユーザーからトピックが投稿されており、作者がそれを読んでいる可能性は高い。
その証拠に、フォーラムに「フラッシュライトの使い方が分からない」という投稿が上がった後、2020/12/24のアップデートで「フラッシュライト」のバグフィックスが行われている。ユーザーの意見を汲んで素早いレスポンスを起こし、ゲームを少しづつ改善していこうという姿勢が感じられる出来事だ。
真摯な意見がゲームを変えることもある
ユーザーがアクセスできる作品としてSTEAM上に発表した以上、作品の品質向上に期待を込めて製品を購入してくれるユーザーが必ず出てくる。彼らの中には冷やかし半分の人たちも居るが、インディーゲームを1人で形にしようともがいているプログラマーに「救いの手」を差し伸べる優しい人たちがいることも事実だ。
「楽しめないから終わり」と安直に作品への評価を投げてしまうと、その作品に明るい未来は無くなる。自分が出費をして購入したゲームがプレイアブルな段階にないことに怒りを覚えるのは至極当然だが、「作品に足りないものは何なのか」そして「面白く遊ぶためには何が必要なのか」をきちんと伝える姿勢も必要だろう。
▲車のモデリングは良く出来ている。後はこれに「必然性」を持たせることが必要となってくるはずだ。
コミュニケーションを断絶せずに「建設的な意見」を送るユーザー、その意見を真摯に受け止めて作品の改善へと取り入れる素直で実直な姿勢を持ったデベロッパー。この組み合わせが上手く回り出した時、ゲームは誰もが思ってもみなかった方向性へ進化を遂げることがある。本作に絶対的に必要とされるのはまさにこの部分だ。
一度ゲームを購入すれば、デベロッパーに対して堂々と自分の意見を述べることができる。何も定まっていない本作の世界を「壮大な実験場」と捉え、アイデアや意見を発信してそれが実装されていくのを待つ。こうした気長にも思える取り組みを行っていくことによって、STEAM上から静かに消えていく新作を救えるかもしれない。
完成形のゲームを求めている人には我慢ならない作品だが、数年というスパンでも作品の進化に貢献したいと思っているインディーゲームファンの人であれば、本作の成長に携わることは無益ではないはず。実験場と考えながらプレイを続け、思いついたことや気になったことを発信してw2lf氏を支えてみよう。
【おすすめポイント】 インディーゲームを完成に導きたい人は必見の新作!
The Day They Cameスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-2500K / AMD FX-6300 | Intel Core i7-6700K / AMD Ryzen 5 1600 |
メモリー | 8GB RAM | 16GB RAM |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 760 / AMD Radeon HD 7950 | NVIDIA GeForce GTX 1060 / AMD Radeon RX 580 |
VRAM | 2GB | 6GB |
HDD空き容量 | 50GB | 50GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 12 |
備考 | インターネット接続が必要SSD推奨 |
(C) w2lf.
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