2020/1/24からSTEAMで早期アクセス版が配信されているbitshiftの購入型PCゲーム。見下ろし型マップ内に鉄道運送網を築いて経済発展を目指していく経営シミュレーションゲーム。
直感的な操作だけで建設できる鉄道路線システム、他ユーザーと発展を競い合えるマルチプレイ要素、シンプルで親しみやすいゲームグラフィックが魅力で、鉄道路線をシミュレートする要素が好きな人、支出と収入を管理する経済SLGが好きな人、MODがサポートされたPCゲームで自分好みの改造を施すことが好きな人におすすめ。
鉄道で利益を獲得しよう!
現在PCゲームのポータルサイト「STEAM」で配信中の『Trains & Things』は、ポリゴン風の世界観を持つマップ上に鉄道運送網を建設し、マップ内に点在する工場などを結びながら利益獲得を目指す経済シミュレーションゲーム。極限まで単純化されたインディーゲームらしい素朴さが光る新作PCゲームだ。
開発を手がけているのはコンピュータ用語に由来する名前を持つインディー系ゲームデベロッパーの「bitshift」。開発にはオープンソースのゲームエンジン「Godot」が用いられ、オブジェクトなどには無料のアセットが利用されている。低予算の中「アイデア勝負」で作り上げられたことが分かる作品と言えるだろう。
▲極限まで簡素化したゲーム世界が特徴。いかにもインディーゲームらしい佇まいがシンプルで素敵だ。
ゲームにはオーストラリアやハワイなどのマップが実装されており、指定したマップの中で鉄道網を結んで収益を上げていく経営シミュレーションを楽しめる。マウスカーソル移動とクリックで素早く線路を敷けるメカニズムが搭載され、直感的な操作であっという間に線路を繋げられる点が魅力となっているぞ。
なお本作は現時点で「早期アクセス版」の状態にあり、正式版となるフルバージョンのリリースには半年から9ヶ月ほどの期間を見ている。遊べるコンテンツも完全な状態で揃っていないため、ゲームシステムの変更やバグ、不具合などに遭遇することが嫌な人は購入を控えた方が良いだろう。
STEAMでの販売価格は2050円。インターフェースは英語一択となり、日本語インターフェースは利用できない。ゲームを円滑に進めるためには基礎的な語学力が要求されるぞ。以上の条件を飲める人であれば、オンライン協力・対戦も可能なリアルタイム経済戦略シミュレーションを存分に楽しめるだろう。
【おすすめポイント】 運送網で儲ける経営SLG!
直感的な操作でサクサク線路建設!
『Trains & Things』の魅力はシンプルかつ直感的な操作方法で線路を敷いて鉄道網を広げていくゲームプレイ。一般的なSLGにありがちなパーツ単位の構築システムではない「ドラッグ型」の操作で自在に線路を敷くことができるため、コツコツとクリック操作を繰り返すことが苦手な人でも安心だぞ。
マップを選択後、プレイヤーは銀行から融資を受けて線路の建設に取り掛かる。必要な資金や融資金額などは1つのウィンドウにまとめられており、施設と線路が繋がって運送網が完成すると列車の運行に応じて利益が生まれる仕組みだ。線路の埋設にも金額がかかるので、最短距離で効率的な路線を考えよう。
▲2つ以上の「駅」オブジェクトを設置後に線路を敷けるようになる。慣れると実に単純明快なゲームシステムだ。
ゲームの舞台となるマップはストラテジーゲームと同様にズームインとアウトを自在にコントロールできるため、ミニマップが搭載されていない。これはプレイヤーの視点を阻害するウィンドウを極力排除するためのアイデアだそうで、確かに画面内の出来事だけに集中できる。シンプルさがウリの新作PCゲーム作品だぞ。
農場と精肉工場といった主要な施設は最初から設置されており、プレイヤーはそれらを結んで収益を発生させる線路を構築していけば良い。物流網を確立して利益を上げていくことが本作の大きな目標であり、収益が増していけば銀行からのローンもきちんと返済できる。経営SLGと呼ぶに相応しい内容だ。
鉄道網を敷いて経営を安定させるという内容を聞くと難しく捉える人がいるかもしれないが、本作は誰でも気軽にプレイできるようなシステムを持っており、かつ操作も極力単純化されているので、経営SLG初心者の人でも入り込みやすい。直感的な操作でサクサクと線路を繋げていくプレイは楽しいぞ。
【おすすめポイント】 誰でも楽しめる操作性がグッド!
「時は金なり」の対戦プレイ!
『Trains & Things』はオンライン対戦プレイにも対応。同じゲームをプレイする他ユーザーと競い合いながら運送会社を大きくしていく「リアルタイム戦略プレイ」を存分に楽しめる。リソースの管理と収益の監視を素早くこなし、理想的な運送経路を切り拓いてナンバーワンの収益を目指そう。
関連のある施設同士を輸送網で繋げて原料を運搬、そして製造へと結びつけて利益を得るという基本的なプレイはいたってシンプルだが、そこに「リアルタイム」の要素が入ることで頭脳戦の様相を呈し、対戦プレイが加速度的に面白さを増していく。血を流す要素は皆無だが、これもれっきとした「戦い」だ。
▲数値をマネジメントしつつ適切な線路構築をスピーディーに行う作業はかなり難しい。対戦プレイは加熱するぞ。
計画なしに線路や駅を配置していくとそれだけ借り入れ金額が増え、返済ばかりに資金が飛んで収益を上げられない。本作には「相場」システムもあるため、「現時点で最も得をする取引」も視野に入れて鉄道網を築かなくてはならず、それが対戦時に「焦り」を引き起こす。対戦プレイのやり込み要素はかなり高いぞ。
【おすすめポイント】 経営力を競う対戦プレイが面白い!
MOD文化をサポート!
『Trains & Things』最大の特徴はユーザーによる「MOD』を容認していること。ゲームの改変・改造を意味する「MOD」が利用可能である本作は、ユーザーの工夫次第で全く別の側面を見せることも、ゲームシステムを拡張させていくこともあり得る「無限の可能性」を秘めた新作PCゲームだ。
MODの可能性を世界に認知させたゲーム作品と言えばFPSゲームの名作『Counter-Strike』。元々『Half-Life』のMODだった同作は、そのクオリティーと面白さから正式に配信されることが決定され、今ではFPSのスタンダード的なポジションを獲得している。PCゲームのMODにはロマンがあるのだ。
▲カスタムマップの作成も可能となっており、自分だけのゲーム世界を生み出す環境が整っている。
大手パブリッシャーのゲーム作品、特に日本製のゲーム作品は基本的に改造や改変を認めない立場にあることが圧倒的に多く、海外ゲームを好んでプレイするPCユーザー以外にMODの概念を説明するのは難しいが、熱心なコミュニティーがゲーム作品を全く別の次元に運んでしまうこともあるのがMODの世界だ。
自力でMODを作れる腕前を持っているユーザーであれば、本作の世界観を改造・改変して自分好みのゲームシステムに変えてプレイを楽しむこともできる。また製作したMODをコミュニティーに公開すれば、そこから正式版の出来栄えを左右する流れが起こるかもしれない。「ゲームを弄ること」が好きな人にもおすすめだぞ。
【おすすめポイント】 オリジナルMODでさらに深く楽しめる!
Trains & Thingsスペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) |
CPU | Intel Core i5-4460 | Intel Core i7-9700K |
メモリー | 8GB | 16GB |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 760 | NVIDIA GeForce GTX 1070 |
VRAM | 2GB | 8GB |
HDD空き容量 | 20GB | 20GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 12 |
備考 | インターネット接続が必要SSDを推奨 |
(C) bitshift
Trains & Thingsの評価・レビュー・評判(0件)
このゲームの投稿レビューはまだありません。