2019/11/28から正式配信が開始されているDeNAの基本プレイ無料スマホゲーム。『ALTER EGO』で人気のカラメルカラムが送る終末探索RPG『トリカゴ スクラップマーチ』のスピンオフスマホゲーム。
難易度の異なるシナリオで補完していくゲーム世界、クセのある世界観が魅力で、テキスト形式で読み進めるADVをプレイすることが好きな人に断然おすすめ。
究極の二択に挑め!
ついに正式配信が開始された『ムシカゴ オルタナティブマーチ』は、プレイヤーの判断がゲームの進展を左右する「二択方式」のゲームシステムがスリリングな新作スマホゲーム。テキスト主体で展開する世界には独特のクセがあり、思わず夢中になってしまうこと請け合いのおすすめADVに仕上がっている。
「終末お世話アドベンチャー」と題された本作は難易度が異なる3本のシナリオを収録。プレイヤーは右も左も分からないまま研究所へ配属され、そこで地上を徘徊する未知のオブジェクト「街獣」の調査に参加することになる。選択肢次第では派遣した調査員が犠牲になることもあるため、スリリングな展開が楽しめる点がポイントだ。
▲希望よりも絶望が勝る世界観が秀逸。没入感を最大限に高めてくれるBGMにも注目してほしい。
なお本作はケモミミ娘の終末探索 RPG『トリカゴ スクラップマーチ』のスピンオフアプリという立場の作品で、『トリカゴ スクラップマーチ』の前日譚を描いている。単品でも楽しめるようになっているが、『トリカゴ スクラップマーチ』と合わせてプレイすればキーワードが多角的に見られるようになるぞ。
作品全体を覆う絶望感や倦怠感、そして人間不信などのテーマが文脈から滲み出る本作は、刹那的な状況下で生きている人間心理に興味がある人におすすめで、テキストを読み進めながら全体像を把握していくゲームを得意とする人なら存分に「ハマる」こと間違いなしの新作スマホゲーム。究極の二択に挑戦しよう。
楽曲はMINAKEKKEが担当
なお本作の楽曲はシンガーソングライターのMINAKEKKEが担当。アシッドフォークやニューウェーブ、ドリームポップ、クラウトロック、シューゲイザー、トリップホップなどの要素を貪欲に取り込み、シアトリカルな美学に裏打ちされた耽美な世界を構築するMINAKEKKEの楽曲が最大級の没入感を提供する。
▲ユイミナコさんによるソロユニット「MINAKEKKE」。先鋭的で刺激的なサウンドは本作の世界観にピッタリだ。
2017年に1stアルバム『TINGLES』でデビューしたMINAKEKKEはその後「FUJI ROCK FESTIVAL'17 ROOKIE A GO-GO」に出演し、2019年9月、トラックの機能性と生演奏の疾走感を兼ね備えたサウンドを持つEP『OBLIVION e.p.』をリリース。本作でも独特なサウンドを聴かせてくれるぞ。
【おすすめポイント】 スリリングな展開がたまらない新作スマホゲーム!
危険な「街獣」を調査しよう!
『ムシカゴ オルタナティブマーチ』でプレイヤーに世界観をレクチャーしてくれるのは研究所の責任者である女性キャラクターの「ナーシャ」。クールな言動を持つ彼女に従ってプレイヤーはいきなり「街獣」の調査を担当させられ、現場に派遣された個性的な職員の調査方法を吟味することになる。
プレイヤーがすることは派遣された職員の提案を「却下」するか「採用」するかの二択だが、先が読めない展開が簡単なゲームシステム以上のプレッシャーを与えてくる。大切な部分が黒く塗りつぶされた情報データを事前によく確認し、「街獣」の特性を推測しながら支持を出さなくてはならない。
▲MINAKEKKEの楽曲が言い知れぬ不安感を煽る『ムシカゴ オルタナティブマーチ』。
プレイヤーは新人でありながら派遣される調査員の「命」を預かる立場。調査員の誤った提案を承諾すると「街獣」の危険度メーターが上昇し、臨界点に達した時点で調査は失敗、即ゲームオーバーになってしまう。難易度によってはやり直しが効くものの、適当にプレイしていては先に進めないので注意が必要だ。
▲一見理不尽に思える提案が有効な場合もあるが、その反対の結果もある。頭脳をフル回転させて解決に導こう。
正解の選択肢を選ぶと調査の達成度メーターが上昇し、100%まで引き上げることによって調査が完了する。途中誤った判断をして危険度メーターが上昇しても、達成度メーターが先に100%に到達すればクリアできる仕組みだ。「街獣」には必ず特性があるので、それを素早く見抜く判断力が求められるぞ。
二択を選んでいくだけという単純明快なルールを持ちながら、「憶測」や「推理力」を総動員しなくてはならない本作のゲームシステムは、プレイする者に極度の緊張感を与えてくれる。スマホらしいタップ操作だけで完結する点も魅力で、片手操作だけでスリリングな世界観を存分に楽しめるおすすめ作品だ。
【おすすめポイント】 頭脳派プレイヤーにおすすめの新作スマホゲーム!
繰り返しに強い新作スマホゲーム!
『ムシカゴ オルタナティブマーチ』には「街獣」の調査達成後に調査員から「報告」を受ける場面がある。成果を報告させる調査員はプレイヤーの任意で決めることが可能で、この報告場面ではワケありな調査員たちの素性や過去も明かされることがある。選択肢を駆使して調査員の秘密を知ることもできるので楽しいぞ。
「街獣」パートをクリアしていくことで黒塗りされた報告書に部分が文字で埋められていくが、それは調査員も同じ。初めは皆一様に新人であるプレイヤーを煙たがる言動を発するが、調査と報告を繰り返していくことによって徐々に自分たちの話を始めるようになり、それがゲーム内の開放度上昇に結びついていく。
▲選んだモードと街獣、そして派遣される調査員の組み合わせによって開放度が上昇。リプレイ性に優れた作品だ。
エンディングに辿り着いてもそこで終わらないのが本作の特徴。黒塗りされた街獣と調査員の秘密を明らかにしていくために何度でもプレイする楽しみがあり、一度調査したはずの街獣を再び調査することによって新たな秘密が解放されていく。全てをコンプリートしたいと考えている人にもおすすめの作品だ。
最高難易度のシナリオCでは派遣する調査員を自分で決められるので、謎を解き明かしたい人物を優先的に派遣させるプレイが捗るが、万が一街獣の調査に失敗すると職員が死亡してしまうため、プレイは慎重に進めなくてはならない。初級者向け・中級者向けを反復して慣れてきた頃にチャレンジすると良いだろう。
▲エンディングをコレクションしていくとさらなるシナリオが解放されることも。続きはプレイして確かめよう。
口が悪いのには理由がある
『ムシカゴ オルタナティブマーチ』の世界で出会う登場キャラクターは皆一様に辛辣な言葉を発する。新人プレイヤーに対する洗礼のような気もするが、実は彼らの性格がねじ曲がっていたのには理由があり、ゲームを進めて開放度を上げることによってそれらの事実が徐々に明らかになってくる。
▲街獣調査後の報告場面では容赦ない会話シーンが進行。ただし彼らがこうなったのには深い理由がある。
本作には「倦怠感」や「やるせなさ」を滲ませたキャラクターが多数登場するが、憎まれ口を平気で叩く人ほど悲しい過去を背負っていることがあるので、プレイを続けて彼らの知られざる過去を徐々に解き明かしていこう。全ての選択がバッチリとハマったとき、意外な展開が起こることもあるぞ。
人間の暗部や業の深い部分を容赦なく描き出す『ムシカゴ オルタナティブマーチ』は、絶望的な状況下で生きながらもどこかで希望を持ちたいと願っている人々の心理描写が冴える新作スマホゲーム。ADV形式で進むストーリーを補完していくプレイが好きな人には断然おすすめできる新作だ。
【おすすめポイント】 繰り返しプレイして全てを明らかにしよう!
©Caramel Column Inc.
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