「ハイブリッドウォーズ(Hybrid Wars)」はExtreme Developersが開発を担当、Wargaming社が発表した、2016/09/30にSteamで発売した新作の斜め上トップダウン見下ろし型のシューティングゲームである。
昔のアーケード型シューティングゲームにインスパイアされたという本作は、ゲーム内での成長システムや過剰な装飾を極力廃したシンプルなシューティングゲームとなっている。
複雑な成長要素や込み入ったプロットの不在には開発費の問題という側面もあっただろうが、ゲームシステムを単純にした事によって結果的に本作のシューティング要素の面白さは研ぎ澄まされ、プレイする楽しみが高いレベルで結実する形になっている。
過去のシューティングゲームへのリスペクトやオマージュが根底にあるとはいえ、現在においてレイドバックした雰囲気とならないように、「Hybrid Wars」にはキャラクター造形やステージデザインなどに現代風アレンジが加えられている。
単なるノスタルジックなシューティングゲームからの脱却が試みられているのは歓迎すべきポイントだ。
実際にプレイを進める中でどこか懐かしい感覚を思い出すゲームユーザーもいるだろうが、それこそが開発者Extreme Developersの狙いであるに違いない。
現代アレンジの加わったグラフィックにシンプルなゲーム性をこだわり抜いたアーケードのようなシューティングゲームが好きな人にオススメの新作アクションゲームだ!
近未来の戦争を舞台とした半リアルな戦闘が熱い!
「Hybrid Wars」では2060年の世界が描かれている。戦争における兵器の概念と形態は進化し、兵士は装甲が施された歩兵型兵器に搭乗する近未来という設定だ。
数多くのSF映画やゲームで踏襲されてきた大型歩行兵器という存在は、多くのシューティングゲーマーの本能をくすぐる格好の素材だと言えるだろう。
登場する兵器全体のデザインは洗練された未来派指向と言うよりは無骨なマシンといった佇まいで好感が持てる。
架空の世界ではあるが一定のリアリティを持つ不思議な空間、それが「Hybrid Wars」の舞台である。
現代では特殊な「見下ろし型」シューティングが魅力を引き立てる!
Extreme Developersの開発者が夢中で楽しんでいたであろう1990年代のアーケードゲームではごく一般的な存在だったトップダウン型のシューティングは現代では珍しい。
現在シューティングゲームの主流と言えばFPS(一人称視点)であるため、若いユーザーの中には新鮮味を覚える方が出てくるかもしれない。
本作のトップダウン型シューティングとは斜め上から見下ろすタイプのシューティングゲームであり、視点の変更は一切発生しない。
ステージ全体の見通しは良く、敵の位置も把握しやすいという利点はあるが、画面外からも敵の攻撃が飛んでくる事があるので気が抜けない。
自分の進行方向で起こる事態を事前に予測し、画面上を機敏に動き回る能力が要求されるのだ。
FPS慣れしているゲーマーにとってこの「Hybrid Wars」は、往年のシューティングゲームが持っていたステージクリアの為に必要な戦略的要素の重要さを知る格好の素材になるに違いない。
固定カメラによるグラフィック向上でリアル感溢れるマップ!
トップダウン形式を採用しているが故にテクスチャの拡大が発生しないのが功を奏し、「Hybrid Wars」のグラフィックは綺麗な仕上がりを見せている。
ステージデザイン上高低差がある部分にははっきりと影が発生しているので視認性も高い。
一昔前のゲームでは解像度の制限上それが背景なのかアイテムなのかよく分からないオブジェクトが存在していたものだが、「Hybrid Wars」のテクスチャでは砂漠は砂漠、岩は岩と一目で分かる描き込みがされているので躊躇する事なく歩を進める事ができる。
現代にトップダウン型シューティングゲームを蘇らせると、このような副産物的利点も発生するのだ。
歩兵と兵器が混戦する迫力のバトル!
ゲーム開始時点でプレイヤーはパワースーツを着用した兵士を一人選択する。
各人物がレベルを持ち、ステージをクリアする度にレベルが上昇するという仕組みだ。
ステージ開始前にはエリアの概要が表示され、目標が開示される。
とは言うものの、いざプレイを開始すればそこは純然たるシューティングの世界なので、ひたすら敵の弾を避けて敵を次々に破壊しながら進んでいくという、良い意味で単純で楽しいゲーム展開となる。
ステージデザインには岩はビルなどの高低差要素が含まれているので、敵の攻撃が避けきれないと判断した場合には障害物を上手に利用する必要がある。
また、自分の高さと敵の高低差を判断する重要な要素に「影」の存在があるので、高所からの攻撃を回避する際に利用しよう。
ゲームを進めると戦略ヘリコプターや戦車、そして大型歩行兵器に搭乗する事が可能になるので、一気に形勢を逆転する事が出来る。
このあたりのカタルシスや爽快感は過去の良作アーケードゲームが持っていた要素であり、ともすれば単調な展開に終始しがちなゲーム内容に適度な起伏を与えてくれる。
トップダウン型シューティングを体験したことがない人に是非!
トップダウン型のシューティングゲームを体験した事がないユーザーには是非本作をプレイしてほしい。「見下ろし型」は海外で「神の視点」とも呼ばれる全てが見通せる視点だが、敵の弾に囲まれた時の興奮度はFPSの比ではない。
Extreme Developersはこの感覚を見事に現代に蘇らせる事に成功している。
過去に周囲の存在を忘れるほどシューティングに没頭した経験があるユーザーであれば、「Hybrid Wars」が持つ高いポテンシャルをすぐに理解する筈だ。
ハイブリッドウォーズ(Hybrid Wars)スペック/動作環境
動作環境 | 必須環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
対応OS | Windows 7 (64bit) | Windows 10 (64bit) |
CPU | Intel Core 2 Quad Q6600 | Intel Core i5-4690K |
メモリー | 4GB RAM | 8GB RAM |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GT 520 | NVIDIA GeForce GTX 960 |
VRAM | 1GB | 2GB |
HDD空き容量 | 9GB | 9GB |
DirectX | DirectX 11 | DirectX 11 |
備考 |
(C) 2014 - 2016 Hybrid Wars (C) Wargaming.net
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